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通訳翻訳ビジネスレポート No.76 2006/01/30 投稿:言葉に挑め
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◆━2006/01/30 第0076号━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆

◇◇通訳翻訳ビジネスレポート◇◇
    http://www.ithouse.net/
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◇目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

<投稿記事>
 ◆「言葉に挑め」平岩大樹(通訳翻訳館)

<書籍紹介>
 ◆『沖縄文化論』岡本太郎(著)

<館長室だより>
 ◆「瞬間を迎える」平岩大樹(通訳翻訳館)

<投稿募集>
 ◆「あなたからの投稿を掲載します」


<= 投稿記事 =>―――――――――――――――――――――――――――――――

■■………………………………………………………………………………………………
■◇「言葉に挑め」
■■………………………………………………………………………………………………

 言葉の「目にみえない力」はどこからくるのか。言葉それ自体が「生き物のように
動く」という見方もあるが、そうじゃない見方もある。言葉の機能だとか、意味だと
か、言語学的なんだとか、そういった「アカ」を洗い流してみると、ここに存在して
いるものは記号だ。

 「記号だ」なんていうと、また「記号論」だとか何だとかといってくる「アカまみ
れの人間」もいるが、言葉に「目にみえない力」を与えるのは、その言葉を受け取る
側の人間の心の中にある「何か」であって言葉それ自体ではない。言葉を受け取る側
の人間の心の中にある「何か」を言葉が刺激し、その「何か」が言葉に「目にみえな
い力」を与える。

 言葉が人間の心の中にある「何か」をひっかけ、「何か」から「目にみえない力」
を引き出す。たしかに、言葉それ自体が「力」を持っているかのように見えてしまう
のだけど、その「力」はもともと言葉を受け取った側の人間の中にある「何か」なの
だ。

 たとえば、言葉を受け取る側の人間が自分でも意識していない恐怖や不安、願望や
希望などといったものが言葉に「目にみえない力」を与える。恐怖や不安が強ければ
強いほど、願望や希望が大きければ大きいほど、言葉の「目にみえない力」は強力か
つ、破壊的なパワーをもつ。

 脅しの言葉、誘惑の言葉、怒りの言葉、励ましの言葉、歓喜の言葉、それらすべて
が、言葉を受け取る側の人間の心にかかっていて、まったく同じ言葉でも、その受け
取り方は無限の広がり、無限の受け取り方が存在している。

 なにも言葉にかぎった話じゃなくて、この世の中のすべてがそうなっている。石こ
ろでも、野の花でも、芸術作品でも、翻訳作品でも何でも無限の見方、無限の受け取
り方、無限の読み方がある。ところが、ある一つの見方や受け取り方、考え方や読み
方を押しつけてくる傲慢な人間がいつの時代にもいる。

 ひとり一人の見方や受け取り方、考え方や読み方を押しのけ、ある一つの見方や受
け取り方、考え方や読み方が「唯一」だの、「正統」だの、「正しい」だの、「普遍
的」だの、「権威がある」などといっている人間がだ。

 言葉に否定的な響きを与えるのも、明るい調子を与えるのも、刺さるような鋭さを
与えるのも、突き飛ばすような勢いを与えるのも、「何か」を伝えようとする側の人
間の心だ。

 言葉を使って「何か」を伝えようとする側の人間は、自らの心の中に素手をつっこ
んで、言葉にならない「何か」を言葉にしなければならない。「アカ」にまみれたテ
クニックを駆使してみたところで、その「何か」は引き出せない。そう、心の中から
「何か」を引き出すには、言葉それ自体に挑まなければならないのだ。

(平岩大樹=通訳翻訳館)

 ◇平岩大樹
  1998年10月、「通訳翻訳館」の前身となった求人求職サイト「個人翻訳通
  訳館」を立ち上げる。2000年に同サイトを「通訳翻訳館」に名称変更すると
  ともに「通訳」と「翻訳」に特化した求人求職サイトを始める。2000年から
  通訳翻訳館の館長。http://www.ithouse.net/


[この記事は通訳翻訳館ウェブサイトにも掲載されています]

 ◇掲載記事
  http://www.ithouse.net/japanese/column/doc/20060129.htm

 ◇いままでの記事一覧
  http://www.ithouse.net/japanese/column/box.htm

 ◇記事を投稿する
  http://www.ithouse.net/japanese/column/send.htm


<= 書籍紹介 =>――――――――――――――――――――――――――――――

■■………………………………………………………………………………………………
■◇『沖縄文化論―忘れられた日本』
■■………………………………………………………………………………………………

【著者】 岡本 太郎
【出版社】中央公論社
【発刊年月】1996年06月03日
【本体価格】720円 (税込)
【ページ数】261p
【ISBN】4122026202
【購入】http://www.ithouse.net/japanese/ac/bk_4122026202.htm

──────────────────────────────────────
明治以来、奇妙に西欧的な文化意識に目ざめ、日本にもこんなものがあるぞ、と対抗
的にもち出した。向こうの価値観で自分の方を作りあげてしまったのだ。日本の文化
史とか美術史とかいうものは、まことにそのように作りあげられた、つまり西欧文化
の影にすぎない。「物」とか「ある」という前提にたって対立させては、日本文化は
本質を捉えられないと思う。
                           本文202pより抜粋
──────────────────────────────────────

 本書は沖縄本島とその周辺に点在する島々に残されていた素朴で、柔軟で、きめの
細かい肌あいを持った島民、島の生活、島独自の歌や踊りといった風俗から「日本の
文化」などと呼ばれ、まつられているものの実体を捉えなおしたものである。

 文明開化のはるか前から、重税と官僚的画一主義の枠にはめこまれた沖縄とその周
辺の島々には、今日の西欧近代思想の体系によって認識されうるような「文化」とは
違った、異質な「文化」があったと岡本太郎はいう。

 日本で「文化」を呼ばれているものの多くは、中国文明や西欧文明の底辺から生ま
れた文明遺産が輸入されたものであって、庶民生活から切り離されている。上層支配
者の貴族的趣味によって集められ、権威づけされ、押しつけられたもの、それが「文
化」という言葉で、まつられているにずぎないのだと書き残している。

 ◇そのほかのオススメ選書をみる
   http://www.ithouse.net/japanese/bookshop.htm


<= 館長室だより =>―――――――――――――――――――――――――――――

■■………………………………………………………………………………………………
■◇「瞬間を迎える」
■■………………………………………………………………………………………………

 12月から1月に月が移った。いままでなら「また戻った」とか「新しい年がはじ
まる」とか何とかいって「新年」の雰囲気に浸っていたけれど、2006年のはじま
りは不思議とこういう感覚がわいてこなかった。

 「新年」気分をかもしだすような長時間番組とか、いろいろな「新年企画」があっ
たけれど、無視できるものは無視した。「新年を迎える」などといって「新しい年を
」などと過剰演出しているものが、すべて異様にみえた。

 ほとんど、2005年という年が「終わって」、2006年という年が「始まる」
という設定になっている。これは12月という月が1月に「戻る」ということの効果
なのかもしれないけれど、「また」という気分をおこさせる。

 ちょっと見方をかえてみると、12月から1月に「戻る」などということはない。
2005年の1月と2006年の1月は同じではないし、「また」なんかではけっし
てない。「新年」を迎えるじゃなくて、ほんとは毎日が「新しい日」を迎えていて、
もっといえば「新しい瞬間」を迎えている。

(平岩大樹=通訳翻訳館)


[館長室だよりは通訳翻訳館ウェブサイトにも掲載されています]

 ◇館長室だより(「黄金の道」などをデジカメで撮影しました)
  http://www.ithouse.net/japanese/tayori/20060104.htm

 ◇いままでの館長室だより一覧(館長室)
  http://www.ithouse.net/japanese/director.htm


<= 投稿募集 =>―――――――――――――――――――――――――――――――

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■◇「あなたからの投稿を掲載します」
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