Bookshop
通訳翻訳ビジネスレポート無料メルマガ 通訳翻訳館 通訳翻訳ビジネスレポート無料メルマガ
ホーム 通訳者が書いた本 翻訳者が書いた本 日本語を磨く本 異文化を学ぶ本
■Amazon.co.jp アソシエイト


通訳翻訳館はAmazon.co.jpアソシエイトです。こちらで紹介する書籍はAmazon.co.jpを通じて購入することができAmazon.co.jpのカスタマーサービスと、安心の配送体制で商品をお届けすることができます。Amazon.co.jpはSSL(Secure Socket Layer)を使って入力情報を暗号化しクレジットカード決済や代金引換配送サービスができる便利なオンラインブックショップです。

配送料と配送情報
支払い方法
プライバシー規約
ヘルプデスク
Amazon.co.jp アソシエイト
■選書 1

『黄沙が舞う日』寺田ふさ子(著) 黄沙が舞う日
寺田 ふさ子(著)

価格(税込):¥1,680
単行本: 201p  (2002/03/30)
河出書房新社 ; ISBN: 4309014577
 本書は日中戦争から太平洋戦争に突入していく時期に満州開拓民として中国に渡った日本人女性の半生を綴ったものである。日本政府の戦時経済体制のもと、食糧増産の国策として進められた満州の開拓事情も知ることができる。開拓地での苦労に耐えながらも、開拓地で過した短い結婚生活と勤労奉仕の日々。日本を信じ、愛国心にもえて開拓に打ち込むが、戦争によって無惨に引き裂かれた家族。日本敗戦による混乱と憎悪の中、自決していった仲間の開拓民たち。瀕死の状態で助けられ、生き残ったものの忘れられた自分。言葉や文化の違いを乗り越え、僻村の極貧生活に耐えた30年。人間同士のふれあいと愛情を育みながら夢みた日本への帰国。忘れてはならない「戦争」の真実が綴られている。(館長)

■選書 2

『比較文化論の試み』山本七平(著) 比較文化論の試み
山本 七平(著)

価格(税込):¥525
単行本: 99 p (1976/06/30)
講談社 ; ISBN: 4061580485
 本書は日本人の文化的規範がどのような歴史背景から生まれているのか、異文化との比較によって浮かび上がる日本人の文化的特異性を指摘したものである。日本人であれ、西欧人であれ、それぞれの文化には絶対に普遍化できない基本があると著者はいう。明治以降、日本は西欧の伝統的文化から生み出された民主主義、合理主義を「人類普遍の公理」であるかのごとく錯覚し、日本の伝統的文化から生み出される歴史観や文化的規範を否定し、排除し続けてきたともいう。錯覚による日本文化の破壊は、結局のところ「敗戦」という国家破綻を招いた。異文化で結実した文化体系を、彼らの歴史観や宗教観と切り離し、ひたすらそれに同化しようとする試みは、自国文化を自滅させるだけなのだと書き残している。(館長)

■選書 3

『捕虜』パウル・カレル ギュンター・ベデカー(著)畔上司(翻訳) 捕虜
パウル・カレル ギュンター・ベデカー(著)
畔上 司(訳)
価格(税込):¥3,675
単行本: 660p  (2001/11/16)
学習研究社 ; ISBN: 4054014380
 本書は第二次世界大戦において捕虜となったドイツ人将兵、連合軍将兵がたどった運命、証言、記録をまとめたものである。ドイツ政府捕虜史委員会の公式記録および、元捕虜とその家族から提供された情報、日記、写真、手紙、証言がもとになっている。敗戦により戦争捕虜となったドイツ人将兵1100万人。戦勝国となったイギリス、オーストラリア、カナダ、スウェーデン、アメリカ、フランス、ソ連にばらまかれた戦争捕虜たち。国によって、捕虜収容所によって決まった人間の運命。人間の尊厳をすべて奪われた捕虜。家畜以下の扱いを受けた捕虜。憎悪と復讐のはけ口にされた捕虜。強制労働、奴隷労働、重労働のすえ精神異常となる捕虜。政治思想の違い、宗教の違い、文化の違いによって増幅された暴力と残虐性。戦争のありのままの姿が、生存者によって書き残されている。(館長)

■選書 4

『夜と霧 新版』ヴィクトール・E・フランクル(著)池田香代子(翻訳) 夜と霧 新版
ヴィクトール・E・フランクル(著)
池田 香代子(訳)
価格(税込):¥1,575
単行本: 169p  (2002/11/05)
みすず書房 ; ISBN: 4622039702
 著者は第二次大戦中、ナチスの強制収容所に収容され生還した精神医学者。本書は強制収容所に収容された精神医学者として、また生き残ることができた数少ない被収容者の一人として、収容所での強制労働、食事、生活、病気がどんなものであったのかを書き残したものである。医学者としてあることを学んだと著者はいう。教科書に書いてあることなど「嘘八百」だということを。人間はどのような環境にも「慣れる」ことができる存在であり、人間性、人格、自我すらも捨てることができる存在なのだと。大切にしてきたものはすべて奪われ、名前すら使われない。単なる「番号」として扱われる被収容者。生きる意味を喪失する被収容者、人間性をなくし堕落していく被収容者。「いいひと」はけっして、生き残れなかった。それが、強制収容所という場所だったと告白している。(館長)

■選書 5 

『日本の伝統』岡本太郎(著) 日本の伝統
岡本 太郎(著)
価格(税込):¥660
単行本: 292 p (2005/05/15)
光文社 ; ISBN: 4334783562
 本書はアカデミックな権威に支配されている「つなぎあわせの伝統」に対し、日本人の日常生活に深く結びついた「生きた伝統」とは何なのか、そしてそれはどこから生まれてくるものなのかを指摘したものである。 トラディションの訳語としてつくられた「伝統」は、明治官僚によって権威づけされ、国民に押しつけられたものでしかないと著者はいう。一般から切り離され、その道の専門家や権威の側を守るための道具、自己防衛の道具として使われているのが「つなぎあわせの伝統」なのだと。 過去は死んだものであり、古典だろうが、国の宝だろうが、かんじんなのは現在を生きている人間の心であって、過去ではない。形骸化した過去を容赦なく否定し、過去から現在的な価値を引きだし、今日の生活に再生させることが正しく「生きた伝統」を受け継ぐ方法なのだと書き残している。(館長)

■選書 6 

『沖縄文化論』岡本太郎(著) 沖縄文化論
岡本 太郎(著)
価格(税込):¥720
単行本: 261 p (1996/06/03)
中央公論社 ; ISBN: 4122026202
 本書は沖縄本島とその周辺に点在する島々に残されていた素朴で、柔軟で、きめの細かい肌あいを持った島民、島の生活、島独自の歌や踊りといった風俗から「日本の文化」などと呼ばれ、まつられているものの実体を捉えなおしたものである。文明開化の前から、重税と官僚的画一主義の枠にはめこまれた沖縄とその周辺の島々には、今日の西欧近代思想の体系によって認識されうるような「文化」とは違った、異質な「文化」があると岡本太郎はいう。日本で「文化」を呼ばれているものの多くは、中国文明や西欧文明の底辺から生まれた文明遺産が輸入されたものであって、庶民生活から切り離されている。上層支配者の貴族的趣味によって集められ、権威づけされ、押しつけられたもの、それが「文化」という言葉で、まつられているにずぎないのだと書き残している。(館長)
■選書 7

『MADE IN JAPAN わが体験的国際戦略』盛田昭夫(著) MADE IN JAPAN わが体験的国際戦略
盛田 昭夫(著)
下村 満子(訳)
価格(税込):¥966
文庫: 534p  (1990/01/01)
朝日新聞社 ; ISBN: 4022605820
 著者は井深大と共に東京通信工業(現ソニー)を設立した共同創業者で戦後日本のエレクトロニクス産業を生み出した人物である。平成11年に死去するまで日本を代表する国際派の経営者であった。本書は著者の「履歴書」ではない。外国人、特にアメリカ人を読者対象として英語(原書)で書かれたもので「ソニー」という日本企業の成長過程をとうして日本的経営思想、日本社会の文化的特徴を知ってもらうために書かれている。東京通信工業設立のいきさつ、ヒット商品「ウォークマン」の開発秘話、ソニーが練った国際戦略、失敗した「ベータマックス」、ソニーの成長を支えた家族的経営の強みなどに加えて、日米企業の文化比較から導き出された日米文化比較論が展開されている。(館長)

■選書 8

『アメリカを知るための英語、アメリカから離れるための英語』鈴木孝夫(著) アメリカを知るための英語、アメリカから離れるための英語
鈴木 孝夫(著)
価格(税込):¥1,700
単行本:285 p (2003/07/30)
文藝春秋 ; ISBN: 4163651802
 本書は西暦600年の遣隋使、遣唐使派遣からはじまる自己改造、自己改良型の日本文明史を紐解いたものである。異民族や異教徒に侵略されることなく、日本独自の文明を作り上げることができたのはなぜか。ユーラシア大陸に発生した大文明の興亡にふりまわされことなく発展成長することができなのなぜか。明治維新、戦前戦後、高度成長、経済超大国をへて行き詰まった現代日本社会が抱える病巣をえぐり出し、先人が築き上げてきた偉業とその原動力となった危機感を解き明かしていく。現代日本社会に覆う自信喪失と社会不安がなぜ起こっているのか、1400年にわたる日本文明史から、その発生過程と原因をつきとめ、これからあるべき日本の国家像、国家理念、日本人自身が持つべき自信、正しい日本の歴史認識のあり方が示されている。(館長)

■選書 9

『日本の経営 〔新訳版〕』ジェームス・C・アベグレン(著)山岡洋一(翻訳) 日本の経営 〔新訳版〕
ジェームス・C・アベグレン(著)
山岡 洋一(訳)
価格(税込):¥2,310
単行本: 211p  (2004/12/10)
日本経済新聞社 ; ISBN: 4532311896
 本書は1958年に翻訳出版された『日本の経営』の新訳版で、文化と企業組織のあり方にはどのような関係があるのかを指摘したものである。日米の企業組織を比べ、決定的な違いがどこにあり、なぜ違うのかを明らかにしている。日本の経営制度が持つ強みとは、日本の伝統的な習慣、態度、文化であり、他国にはない日本独自のものにあると著者はいう。日本が工業化に成功したのも、経済力を高めたのも、根本の独自性を変えることなく、さらに磨きをかけた結果なのだと。日米ともに、それぞれがつくりあげてきた文化、歴史、制度は違う。それぞれが、それぞれのやり方で世界環境に適応しているのあって、各国の底流にある独自性を破壊して他国を真似れば社会は混乱し、弱体化する。各国の独自性に基づいて社会は再調整、再構築されるのであって、企業組織も同じことだと語っている。(館長)

■選書10

『秘の思想』柳父章(著) 秘の思想
柳父 章(著)

価格(税込):¥2,625
単行本:(2002/11/25)
法政大学出版局 ; ISBN: 4588436058
 本書は日本文化とは何なのか、日本文化の本質はどこにあるのかを探ったもの。タテマエ・ホンネ、オモテ・ウラの思考構造がいつ、どこで生まれ、どのように日本人の考え方を支配しているのか。千年の時をかけて生み出された日本文化の「秘」の正体を明らかにしている。そもそも、日本文化とは外来文化のかたまりであって、翻訳文化であると著者はいう。日本の文化構造には異文化の未知、不可解を閉じ込め、正体がわからないまま受け入れるという「秘」の構造が存在しているのだと。「先進」舶来文化という先入観に支えられた異文化の「よく分からないありがたさ」を解明するのではなく、その「よく分からないありがたさ」を活用して「権威」をつくり、「秘仏」、「秘宝」、「秘伝」をつくってきたのが日本という国であり、日本文化の正体であると指摘している。(館長)

■選書11

『英語はいらない!?』鈴木孝夫(著) 英語はいらない!?
鈴木 孝夫(著)

価格(税込):¥693
新書: 207 p (2001/01/08)
PHP研究所 ; ISBN: 4569613195
 著者は1926年生まれの言語社会学者。本書は経済大国にっぽんが持つべき対外言語・文化戦略をまとめたものである。弱肉強食の国際社会のなかで、日本人と日本語はどうあるべきなのか、英語とどう向き合えばいいのかを語っている。著者は英語という外国語を憧れの対象にしたり、英語のできる人を羨ましがるような古い外国語観や伝統は捨てろという。時代遅れの馬鹿げた幻想であり、一般の日本人にとっては損でしかないと指摘している。外国を過度に美化し理想化するのではなく、いまこそ日本人が築き上げてきた日本の歴史と先人たちの偉業に目をむけなければならないという。新しい日本のあり方とはどうあるべきなのか、日本語はどうあるべきなのか、いまの日本に必要とされている国家戦略を描きだしている。(館長)

■選書12

『ソフト・パワー』ジョセフ・S・ナイ(著)山岡洋一(翻訳) ソフト・パワー
ジョセフ・S・ナイ(著)
山岡 洋一(訳)
価格(税込):¥2,100
単行本: 269p  (2004/09/13)
日本経済新聞社 ; ISBN: 4532164753
 本書は「ソフト・パワー」とは何であり、その源泉がどこにあって、どのように活用されてきたのかを探ったものである。アメリカ議会内の思想対立から起こる混乱、ブッシュ政権の外交政策と外交スタイルがアメリカの「ソフト・パワー」にどのような影響を与えているのかを分析している。著者は「ハード・パワー」と「ソフト・パワー」のバランスが大切であり、その調整が重要であるという。アメリカ外交の「傲慢さ」は、政治指導者にその認識が薄れたことによるバランス感覚の欠如にあるのだと。世界大戦、冷戦、ソ連崩壊をへてアメリカは「ソフト・パワー」をどのように扱ってきたのか。戦時の広報外交・宣伝活動から情報革命とグローバル化に対応するにはどうすればいいのか、ネット時代の「ソフト・パワー」はどこで生まれ、どう活用すべきなのかを語っている。(館長)

■選書13

『日本人よ。成功の原点に戻れ』マハティール・ビン・モハマド(著)橋本光平(翻訳) 日本人よ。成功の原点に戻れ
マハティール・ビン・モハマド(著)
橋本 光平(訳)
価格(税込):¥1,575
単行本: 213p  (2003/08/08)
PHP研究所 ; ISBN: 4569631452
 本書は太平洋戦争で大敗した日本が、どのようにして戦後復興、高度成長、土地バブル崩壊をへて世界第二位の経済大国を維持しているのか、その成功のシステムを指摘したものである。日本社会の混乱は、行き過ぎた「アメリカ化」にあると著者はいう。国際標準化、グローバリゼーションの正体は、アメリカが勝つシステムであり、物質万能主義に基づく利益追求型の競争社会だけでは二十一世紀の世界システムになりえないと。粗悪品をつくる国として認識され、尊敬も支持もされなかった戦前の日本製品。敗戦による体制崩壊によって生み出された「高品質、低価格」の日本製品が、なぜ世界の支持を得るようになったのか。成功の原点にもどって、よく考えてみなさいと綴っている。(館長)

■選書14

『アメリカへの警告』ジョセフ・S・ナイ(著)山岡洋一(翻訳) アメリカへの警告
ジョセフ・S・ナイ(著)
山岡 洋一(訳)
価格(税込):¥2,625
単行本: 317p  (2002/09/12)
日本経済新聞社 ; ISBN: 4532350085
 本書は情報革命で増幅したグローバル化にアメリカ自身がどう対応すべきか分析したもの。急速に進むグローバル化によって、アメリカが行使できる国際影響力は低下すると著者はいう。情報ネットワークが世界規模に発達し、インターネットメディアを通じて流通する膨大な量の情報をどう扱い、どう管理するのか。みせかけの強さのなかに抱えるアメリカの危機を外交政策、メディア政策、言語政策にわたって指摘していく。軍事力や経済力といった「ハード・パワー」だけでなく、文化や制度の魅力といった「ソフト・パワー」をどう活用して侵略するのか、その戦略も詳しく解説している。強大な国際影響力をどうやって保ち、どのようにして国益を追求するのか、アメリカが打つべき新政策を提示している。(館長)

■選書15

『目覚めよ日本』リー・クアンユー(著)木村規子(翻訳) 目覚めよ日本
リー・クアンユー(著)
木村 規子(訳)
価格(税込):¥1,680
単行本: 230p  (2001/05/10)
たちばな出版 ; ISBN: 4813313221
 著者はシンガポールの初代首相で、現在はシンガポールの首相府内閣顧問を務めている人。本書は東南アジアからみた日本とはどんな国であり、アジアのなかで日本に求められている役割とは何なのかを指摘したものである。戦前の「メイド・イン・ジャパン」は、安かろう悪かろうの使い捨て商品であり、けっして高品質、高性能の商品ではなかったと著者はいう。敗戦からの経済復興、それを可能にしたのはどんな仕事でも「全力を尽す」、「徹底的にやる」という労働意欲を日本人が持っていたからなのだと。日本には、豊富な資源がある。ないのは、社会の将来像を見据えて、人々を叱咤激励し、自信を与え、活力ある新しい社会を創ろうとする人間であり、真のリーダーシップを発揮する政治的、経済的、文化的指導者だと述べている。(館長)

■選書16

『台湾の主張』李登輝(著) 台湾の主張
李 登輝(著)

価格(税込):¥1,600
単行本: 229p  (1999/06/17)
PHP研究所 ; ISBN: 4569606407
 著者は中華民国(台湾)の元総統。2000年に政界を引退し、現在は李登輝学校で校長を務めている。本書は、東南アジアにおける台湾史をふりかえり、21世紀の台湾と東南アジア像を展望したものである。台湾の急速な経済成長と社会発展は、優れた制度・思想を積極的に台湾内部に取り入れ、さまざまな文化・思想・宗教を共存させながら多様性ある社会をつくってきたからだと著者はいう。日本の占領統治下で教育を受け、22歳まで「日本人」だった著者にいわせれば、現在の日本と日本人には「自信」が欠落しているのだと。世襲制が日本の多様性を塞ぎ、日本人がもっていたはずの優れた柔軟性が失われている。能力や利害を超えた信念、それを養うための精神修練をもう一度思い出し、実行するべきではないかと問いかけている。(館長)

■選書17

『現代が受けている挑戦』A・J・トインビー(著)吉田健一(翻訳) 現代が受けている挑戦
A・J・トインビー(著)
吉田 健一(訳)
価格(税込):¥700
文庫: 371 p (2001/12/01)
新潮社 ; ISBN: 4102230211
 本書は地球上のあらゆる組織と個人が一つの世界国家の下で統治されうるのかどうかを探求したものである。人類史上初の文明となったシュメール、古代ギリシア・ローマ、古代エジプト、インダス、中国での史実から教訓を抽出し、世界国家にむけての課題を提示している。人間がつくりあげる社会的、文化的な遺産は常に不安定なものであって不変ではないと著者はいう。いかに優れた統治組織や技術革新を活用したとしても、生命体の本質である「変化」を止めることはできないのだと。西欧文明が世界へ膨張してゆく過程で、各国の独自文化は侵食され、侵略され、犠牲になった。社会的、文化的遺産は簡単に失われるものであり、技術の進歩によって距離が消滅したいま、西欧化をさらに推し進めていけば西欧型の世界国家もありえるのではないかと書き残している。(館長)

■選書18

『「ゴッド」は神か上帝か』柳父章(著) 「ゴッド」は神か上帝か
柳父 章(著)

価格(税込):¥1,155
文庫: 263 p (2001/06/15)
岩波書店 ; ISBN: 4006000561
 本書は中国語、日本語に翻訳された聖書のなかに見い出される西洋文化としてのキリスト教とは何かを探ったものである。イギリス人宣教師、ロバート・モリソンとその息子ジョン・モリソンが携わった翻訳と通訳の業績から西洋による植民地侵略の基本原理を見直し、その特質を取り上げている。ロバート・モリソンが遺した中国語版聖書『神天聖書』、世界初の英中辞書『英華字典』から翻訳家モリソンの翻訳思想を分析し、キリスト教の宣教エネルギーと深く結びついた西欧文明の侵略性をえぐりだす。モリソン訳聖書の訳語を受け継いだ日本語訳聖書から、日本語の「神」と中国語の「神」概念を比較し、その違いはどこから生まれているのか、翻訳家モリソンが選んだ翻訳語「神」の背後にある文化の違いがどのように関係しているのかを考察している。(館長)

■選書19

『多文化世界』G・ホフステード(著) 多文化世界
G・ホフステード(著)
岩井 紀子 岩井 八郎(訳)
価格(税込):¥3,045
単行本: 276 p (1995/02/20)
有斐閣 ; ISBN: 4641075786
 著者はオランダのフローニンゲン大学で社会心理学の博士号を取得した博士。「異文化間協力に関する研究所」(オランダ・マーストリヒト、リンブルク大学)の所長をはじめヨーロッパ経営大学院などで組織行動論の教授職を歴任した社会学者。本書は世界50カ国の文化を比較した比較文化論となっている。比較対象国は世界50カ国以上にのぼり、統計学と綿密な調査から見出された「権力格差」、「集団主義対個人主義」、「女性らしさ対男性らしさ」、「不確実性の回避」の4つの次元を使って文化の違いを探っている。調査データは世界50カ国に支社があるIBM社の協力によって調査されており、リストの中には日本支社のデータもあることから、4つの次元を使って日本と他国を比較することができる。日本人が持つ文化的特徴を客観的に理解し、どのようなところがどう違うのかがわかる優れた書だ。(館長)
■選書20

『文明の衝突』サミュエル・ハンチントン(著)鈴木主税(翻訳) 文明の衝突
サミュエル・ハンチントン(著)
鈴木 主税(訳)
価格(税込):¥2,940
単行本:(1998/06/30)
集英社 ; ISBN: 4087732924
 本書は冷戦終結によってもたらされた地域統合、民族対立、国家分裂、文明衝突の背後に何があるのかを分析したものである。冷戦後の世界にとって最も危険で、重要な意味を持つようになったものは政治でも経済でもなく「文化」であると著者はいう。文化の中心的な要素は言語と宗教であり、宗教の違いは深刻な対立と憎悪を生みだす源泉になっていると指摘する。地域紛争や民族対立の背後には宗教の違いがあり、キリスト教とイスラム教の対立が最も危険で残酷な対立に発展する可能性があるという。西欧文明は普遍的な文明ではなく、不滅でもない。それぞれの文明がつくりあげている価値観、制度の特徴に優劣はなく、それぞれが貴重な存在である。異文明によってつくりあげられた価値観や制度を無視し、認めないことは、深刻な衝突を引き起こすと論じている。(館長)

■選書21

『ネオコンの論理』ロバート・ケーガン(著)山岡洋一(翻訳) ネオコンの論理
ロバート・ケーガン(著)
山岡 洋一(訳)
価格(税込):¥1,575
単行本: 207 p (2003/05/25)
光文社 ; ISBN: 433496155X
 著者はカーネギー国際平和財団の上級研究員。米ブッシュ政権の外交政策を握るといわれるシンクタンク「アメリカ新世紀プロジェクト(PNAC)」の共同創設者。本書はヨーロッパとアメリカがもつ「戦略文化」の違いを明らかにしたものである。アメリカとヨーロッパがつくりあげた「欧米」という結束と団結は、冷戦終結によって消滅したと著者はいう。「欧米」とは、冷戦という特殊な世界情勢によってつくりだされた幻想であり、もともとヨーロッパとアメリカは共通の世界観などもってはいないと指摘する。ヨーロッパの平和と安全はアメリカ軍の駐留によって生み出されるものであってアメリカなくして、ヨーロッパの永遠平和は実現しないという。冷戦終結により軍備縮小を進めたヨーロッパ、逆に軍事技術を開発し高めたアメリカ、その違いは国家理念とビジョンにあると分析している。(館長)

■選書22

『台湾の大和魂』林えいだい (著) 台湾の大和魂
林 えいだい (著)

価格(税込):¥2,940
単行本: 286 p (2003/08/08)
東方出版 ; ISBN: 4885916887
 本書は日中戦争、太平洋戦争において日本軍が行なった台湾同化政策、皇民化教育の実態を探ったものである。敗戦による体制崩壊によって封殺されれた台湾の「日本人」たちの悲痛な叫びと悲しみが綴られている。戦闘要員として日本軍とともに戦い、数多くの犠牲者を出した台湾の高砂義勇隊、高砂挺身報国隊、特設勤労団、農業義勇団とはどのような部隊だったのか。巧妙な同化政策を推し進め、台湾の多くの若者を戦争に巻き込んでいった軍司令部と大本営の態度と姿勢とはどんなものだったのか。占領地の拡大とともに必要になった通訳要員。陸軍と海軍で行なわれた諜報活動に組み込まれ、命がけの任務を与えられた台湾からの留学生たち。日本人以上に日本人的な愛国精神を植えつけられ、捨てられた台湾人たちの怒りとは何か。長きにわたり隠されてきた「歴史問題」のひとつが明らかにされている。(館長)

ホーム 通訳者が書いた本 翻訳者が書いた本 日本語を磨く本 異文化を学ぶ本



You are here > Home > Bookshop > 異文化を学ぶ本

通訳翻訳館


ホーム新着求人通訳求人翻訳求人求人掲載メルマガコラムブログTwitter館長室広告免責運営
通訳/翻訳のお仕事発見!通訳翻訳サービス提供者発見!通訳翻訳ビジネスレポート翻訳家で選ぶビジネス翻訳書
フリーランスの書架ビジネスセンスを磨く本独立開業のための本仕事獲得のための本キャリアデザインの本
プロフェッショナルの書架通訳者が書いた本翻訳者が書いた本日本語を磨く本異文化を学ぶ本