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「まるで氷河期のような景気」-2001/11/10
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 米国同時多発テロにより航空、金融業を震源とする世界同時景気後退が各種メディアで叫ばれている。わが国日本でも海外旅行を敬遠し海外旅行のキャンセルやツアー旅行の中止などで航空、旅行会社の業績不振が発表されている。一方で海外から日本に来日する外国人の数も減少、各国際会議やシンポジウムが中止・延期されている。追い討ちをかけるように過去最悪となった5.3%の失業率、会社倒産件数の増加、大手企業の大リストラ計画の実施など「日本」は大転換期に入っている。

 リストラで職を失った人、会社が倒産して収入がなくなった人が数え切れないほど存在している。世界を眺めればアフガニスタンでは米国軍の空爆が加えられ、その米国ではバイオテロの脅威に米国民がさらされている。

 われわれ通訳翻訳業に携わる人間にとっても大変きびしい時代に突入した。仕事の発注先である企業はさらなる人員削減、コスト削減を推進し生存競争に必死だ。コストを切り詰め生産効率を限界まで高めなければ商売にならない。日本を代表し世界企業の一つである日産自動車では、太陽が昇る明るい日にはオフィスの蛍光灯を消すというコスト削減努力を行っていた。これはカルロス・ゴーン氏がまだ社長に就任して間もないときであったが、その結果が業績に反映され日産自動車は生き残った。

 このような経済環境下で、一部の業者以外に十分な仕事量がなくなることが予測できる。CNNなどでおなじみの放送通訳分野では逆に極端な人材不足に陥っているだろう。テロによって国際会議の中止・延期、要人の訪日延期、海外旅行ツアーの中止で通訳業界はまさに冬といったところだろう。

 翻訳業界も一部は除いて大半は真冬に近い状況といえる。翻訳の仕事を外注するお得意様は電気産業に多い。上場企業レベルの巨大企業が外注するのが大半といっていいのではないだろうか。そのお得意様の企業は万単位の人員削減、工場閉鎖に踏み切っており、コスト削減の波が怒号のごとく押し寄せている。

 最近、気になる記事を読んだ。大手電気メーカが中国で日本語に堪能というより、理解できる人材を大量に現地採用するという。しかも日本語による研修や教育を施すという。なぜなら人件費が安いからだそうだ。現地採用し働いてもらうというのはいままでもあったが日本語を教育しデスクワーク要員として採用するというのはあまり聞かない。彼らが今後どのような形でこの業界に影響を与えてくるのか大変興味深い。



平岩 大樹(ひらいわ たいき)

 1998年10月、「通訳翻訳館(http://www.ithouse.net/)」の前身となった求人求職マッチングサイト「個人翻訳通訳館」ウェブサイトを立ち上げる。2000年に同サイトを「通訳翻訳館」に名称変更するとともに「通訳」と「翻訳」に特化した求人求職マッチングサイトをはじめる。現在、通訳翻訳分野における「求人と求職のミスマッチ解消」を使命とし「通訳翻訳館」を運営している。


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