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通訳翻訳ビジネスレポート No.73 2005/12/15 投稿:震える感動
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◆━2005/12/15 第0073号━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆

◇◇通訳翻訳ビジネスレポート◇◇
    http://www.ithouse.net/
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◇目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

<読者投稿>
 ◆「震える感動」田中モー子(匿名投稿)

<書籍紹介>
 ◆『目覚めよ日本』リー・クアンユー(著) 木村規子(訳)

<館長室だより>
 ◆「ひっぱられ葉」平岩大樹(通訳翻訳館)

<投稿募集>
 ◆「あなたからの投稿を掲載します」


<= 読者投稿 =>―――――――――――――――――――――――――――――――

■■………………………………………………………………………………………………
■◇「震える感動」
■■………………………………………………………………………………………………

 ある小説の翻訳をしていたときのことだ。やっと完成したものをまとめて他のファ
イルにコピーしようとしたら、突然、画面の文字がすべて消えてしまった。そばで見
ていた夫が絶望した表情で、なぜバックアップをとらなかったかと机を叩いた。

 しかし、私は知らずに笑顔になっていた。もう一度小説の世界に入っていけること
が嬉しくて、ひとときの休みも取りたくなかった。疲れきった体、つりそうな両手で
キーボードをたたき、背中と肩に激痛が走っていても、目の前には鮮やかな情景が浮
かんだ。

 新たにできていくものが、さっき消えたものより明らかによくなっていくのが、一
行書き進めるごとに分かる。加速していく自動車のように、一度なぞった文章の流れ
は頭と心の奥底から噴き出す。

 さっきの文章を亡霊のように支配していた、できそこないの逐語訳からの解放に、
キャラクターたちが小躍りする。原語と日本語と映像と音が全て頭の中でミックスさ
れる。私はこの作品の、読者なのか筆者なのか。どちらでもなく、どちらでもある。
原語版の読者と、日本語版の読者の、両方のワクワク感を贅沢にひとりじめしている


 もしもあなたが、この世界にとどまるべきかを今、迷っているなら、そこにある会
心の作を思い切って消してみてはどうか。失った文字と新たに生じる作業を「時給○
○円の労働」に換算する自分がいるなら、給料のいい職場におとなしく移ったほうが
幸せだろう。

 文学翻訳の実力は、採算や効率と無縁のところにある。優秀な通訳・翻訳者と呼ば
れるのが「稼げる人」「短時間に多くの情報を外国語変換できる人」ならば、文学翻
訳者は、自らその王冠を捨て去り、書物とともに言葉の荒海を泳ぐ変わり者かもしれ
ない。

 「この喜びがあれば、どんな悪条件でもがんばれる」そう素直に思えたら、あなた
も私も名翻訳者の卵。芸術と言葉と、物語のいきいきした登場人物たちが私たちの強
力な味方だ。文学にとって大事なのは、書き手と読み手であり、売り手と買い手では
断じてない。

 このご時世、世間の耳目の最大公約数はホリエモンで韓国文学のすばらしさは週刊
誌にも載らないが、インターネットなら、興味関心を軸に人がタダで集まれる。売れ
っ子作家と売れっ子翻訳者が、オーバーワークで共倒れしていく出版業界から一歩離
れれば、フレッシュな野生の才能がそこここに転がっている。

 もう待つのをやめて、発信しよう。言葉もメディアもツールに過ぎない。「震える
感動」を永遠の共有財産にしよう。世界と時空を超える物語の語り部にみんなでなろ
う。

(田中モー子=匿名投稿)

 ◇田中モー子
  http://www.bu-min.com


[この記事は通訳翻訳館ウェブサイトにも掲載されています]

 ◇掲載記事
  http://www.ithouse.net/japanese/column/doc/20051215.htm

 ◇いままでの記事一覧
  http://www.ithouse.net/japanese/column/box.htm

 ◇記事を投稿する
  http://www.ithouse.net/japanese/column/send.htm


<= 書籍紹介 =>―――――――――――――――――――――――――――――――

■■………………………………………………………………………………………………
■◇『目覚めよ日本―リー・クアンユー21の提言』
■■………………………………………………………………………………………………

【翻訳家】木村 規子
【原著者】リー・クアンユー
【出版社】たちばな出版
【発刊年月】2001年05月10日
【本体価格】1680円 (税込)
【ページ数】230p
【ISBN】4813313221
【購入】http://www.ithouse.net/japanese/ac/bk_4813313221.htm

──────────────────────────────────────
事は、理想主義とビジョンだけではうまくいきません。ビジョンを実行に移す能力も
同様に重要なことです。ある決意をしたら、たとえ逆境や批判にあっても、屈せずに
やり通すだけの精神的、肉体的な強さがなければいけません。
                           本文71pより抜粋
──────────────────────────────────────

 著者はシンガポールの初代首相で、現在はシンガポールの首相府内閣顧問を務めて
いる人。本書は東南アジアからみた日本とはどんな国であり、アジアのなかで日本に
求められている役割とは何なのかを指摘したものである。

 戦前の「メイド・イン・ジャパン」は、安かろう悪かろうの使い捨て商品であり、
けっして高品質、高性能の商品ではなかったと著者はいう。敗戦からの経済復興、そ
れを可能にしたのはどんな仕事でも「全力を尽す」、「徹底的にやる」という労働意
欲を日本人が持っていたからなのだと。

 日本には、豊富な資源がある。ないのは、社会の将来像を見据えて人々を叱咤激励
し、自信を与え、活力ある新しい社会を創ろうとする人間であり、真のリーダーシッ
プを発揮する政治的、経済的、文化的指導者だと述べている。

 ◇そのほかのオススメ選書をみる
   http://www.ithouse.net/japanese/bookshop.htm


<= 館長室だより =>―――――――――――――――――――――――――――――

■■………………………………………………………………………………………………
■◇「ひっぱられ葉」
■■………………………………………………………………………………………………

 「ヒラヒラ」から「バラバラ」と音をかえて枯れ葉が木から落ちはじめた。あたま
の上にも枯れ葉が落ちてくる。木の上の方から落ちてくる枯れ葉を手でつかまえたり
もしたが、目の前で「ガサッ」と音をたてて枯れ葉が落ちたとき「何か」を感じた。

 三宝寺池のベンチに座ってクヌギやコナラなどの落葉を眺めていたら、落ち葉が「
落ち」葉じゃないことに気がついた。たしかに、目で見れば「落ち」葉なのだけれど
、本当はひっぱられている。だから「ひっぱられ」葉なのだ。

 何にひっぱられているのかといえば、地球の重力にひっぱられている。枯れ葉だけ
じゃない、ありとあらゆる地球上のものは地球にひっぱられてる。目に見えているも
のは、たしかに「落ち」葉なのだけれど、ちょっと見方をかえると「落ち」葉ではな
くなる。実に、おもしろい。

 こういう言葉のマジックが、いたるところに組み込まれている。落ち葉という言葉
は、人に害のある言葉ではないけれど、翻訳語などのように人工合成された言葉には
特殊な「加工」が施されている。だから、なかなかこの種のマジックに気づかない。
いや、気づけないように「加工」されている。そう思った。

(平岩大樹=通訳翻訳館)


[館長室だよりは通訳翻訳館ウェブサイトにも掲載されています]

 ◇館長室だより(「コナラの落ち葉」などをデジカメで撮影しました)
  http://www.ithouse.net/japanese/tayori/20051210.htm

 ◇いままでの館長室だより一覧(館長室)
  http://www.ithouse.net/japanese/director.htm


<= 投稿募集 =>―――――――――――――――――――――――――――――――

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■◇「あなたからの投稿を掲載します」
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