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通訳翻訳ビジネスレポート No.67 2005/10/15 投稿:私たち皆の責務
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◆━2005/10/15 第0067号━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆

◇◇通訳翻訳ビジネスレポート◇◇
    http://www.ithouse.net/
◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆


◇目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

<投稿記事>
 ◆「私たち皆の責務」田中モー子(匿名投稿)

<書籍紹介>
 ◆『武器としてのことば』鈴木孝夫(著)
 ◆『大事なことはすべて盛田昭夫が教えてくれた』黒木靖夫(著)

<館長室だより>
 ◆「トンボとにらめっこ」平岩大樹(通訳翻訳館)

<投稿募集>
 ◆「あなたからの投稿を掲載します」


<= 投稿記事 =>―――――――――――――――――――――――――――――――

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■◇「私たち皆の責務」
■■………………………………………………………………………………………………

 ドイツ文学の翻訳家で平和運動にも携わる池田香代子氏の、憲法と平和に関する講
演を聴いた。翻訳の話はその日のテーマではなかったが、質疑応答の際に、フランク
ル『夜と霧』の翻訳が出版された時の話が出てきた。

 下山徳爾訳の第1版があるのに、『下山先生のご存命中に新訳を出すという、本来
あってはならない失礼なことをした。それでも、先生が試訳を見てゴーサインを出し
てくださり、異例の扱いが大変有難かった』という池田氏のコメントは、業界の掟な
ど知らない一般聴衆たちに、どのように受け取られたのだろうか。

 アフガン戦争、イラク戦争をきっかけに世界の巨大な権力と闘い、憲法上の価値を
守る活動をしてきたという池田氏の話の最後に、翻訳というあまり物騒でもないフィ
ールドで、これほどまでに「表現の自由」が圧殺されている事実が出てきて、あ然と
した人も少なくないだろう。

 「翻訳にゴーサインを出すのは大先生ではなく、お金を出して読む読者ではないの
か?」という素朴な疑問と怒りを感じ、業界の内輪受け・内輪もめの悪しき慣習を想
像し、げんなりするのが普通の感性ではないか。

 池田香代子氏個人が悪いという問題ではなく、今まで惰性に任され、棚上げにされ
てきた問題を正面から見直すことが、私たち皆の責務だと思う。

 自分が訳したものに対する著作権は守られた上で、「新訳を誰にも出されない権利
」とはいったい何なのか。どこの業界だって、ライバルとしのぎを削っていい物を作
り合っているのである。

 紙おむつの新製品を各社がこぞって出せば子育ても便利になり、カップラーメンの
新製品たちが競い合うことで、独身者の生活も少しは多彩になる。その程度の恩恵も
、翻訳書の読者は得られないというのだろうか。

  古典の新訳が次々と出されているといっても、くそ面白くもない古典を学校の国語
の時間に読まされて文学離れしてしまった層にはすでに手遅れだ。読者が減れば、翻
訳業界どころか出版業界全体の地盤沈下を招く。現にそうなっている。内輪受け・内
輪もめの悪しき風習は、結局自分たちの首を絞め、不毛な仕事の取り合いを生むだけ
だ。

 CMが他社製品より優れた点をアピールするように、訳者たちが堂々と「こんな古
い文体は今の一般人に読めない!私の訳の方がセンスあるでしょ!皆さん読んでくだ
さい!」と言える正常なマーケットを作るべきだ。新規参入者とフェアに戦い、勝ち
抜いた者こそが真の「大先生」になれるのではないか。

(田中モー子=匿名投稿)

 ◇田中モー子
  http://www.bu-min.com


[この記事は通訳翻訳館ウェブサイトにも掲載されています]

 ◇掲載記事
  http://www.ithouse.net/japanese/column/doc/20051015.htm

 ◇いままでの記事一覧
  http://www.ithouse.net/japanese/column/box.htm

 ◇記事を投稿する
  http://www.ithouse.net/japanese/column/send.htm


<= 書籍紹介 =>―――――――――――――――――――――――――――――――

■■………………………………………………………………………………………………
■◇『武器としてのことば 鈴木孝夫著作集4』
■■………………………………………………………………………………………………

【著者】鈴木 孝夫
【出版社】岩波書店
【発刊年月】2000年01月06日
【本体価格】3885円 (税込)
【ページ数】330p
【ISBN】4000923145
【購入】http://www.ithouse.net/japanese/ac/bk_4000923145.htm

──────────────────────────────────────
通訳や翻訳の仕事につく人々が、いくら多様化し、それぞれが有能であっても、その
人々から情報を受け、判断し命令する立場にある肝心の上層部が、現在のように英語
を中心とする西欧一辺倒の、偏頗な語学と教養に収斂している教育体制から育ってい
れば、いま日本をとりまく変貌した世界の多様性を実感として受け止め、これに適切
に対応することが出来ない。
                           本文72pより抜粋
──────────────────────────────────────

 本書は経済大国として日本が持つべき言語的国家戦略を提示したもの。明治政府に
よってつくりだされた英独仏の3言語を中心とする言語的国家戦略はすでに機能せず
、「あばたもえくぼ」式の西欧中心の考え方やものの見方などに盲従してはならない
と著者はいう。

 大東亜戦争で敗戦した日本に残された外交手段は「ことば」しかないのであり、経
済的利害の衝突する国際場裡で、国益を追求し、権益を確保するには「ことば」を巧
みに使いこなさなければならないのだと。

 すべての日本人が英語を話せるようになる必要などないし、国際的に通用する本物
の英語能力は誰にでも習得できるものではない。日本人の心の中に偶像化され、理想
化されている虚像の欧米イメージを打ち砕き、あるがままの世界の姿を日本語で考え
、日本語を世界で通用させるための長期的な努力と巨額の投資が、何より必要だと説
いている。

 ◇そのほかのオススメ選書をみる
   http://www.ithouse.net/japanese/bookshop.htm


■■………………………………………………………………………………………………
■◇『大事なことはすべて盛田昭夫が教えてくれた』
■■………………………………………………………………………………………………

【著者】黒木 靖夫
【出版社】KKベストセラーズ
【発刊年月】1999年12月13日
【本体価格】1575円 (税込)
【ページ数】238p
【ISBN】4584185239
【購入】http://www.ithouse.net/japanese/ac/bk_4584185239.htm

──────────────────────────────────────
いつの時代にも、泣いても笑っても、やらなければならないことはある。「だから、
どう笑いながらやろうかと、私は考えている」盛田は常にそんなふうに言い、体現し
てきた。そして井深は、誰も挑んだことのない新しい技術にぶつかっていき、時には
失敗することが大いなる喜びであることを体言した人だった。
                           本文130pより抜粋
──────────────────────────────────────

 著者はソニーで「ウォークマン」の商品開発チームリーダーだった人、1985年
のつくば万博では「ジャンボトロン」の製作責任者でもあった。1993年にソニー
から独立し黒木靖夫事務所を設立。富山県総合デザインセンター所長も務めている。

 本書はそごうを辞め中途採用でソニーに入社した著者が、ソニーという企業の特徴
、松下電器や三洋電機、日産自動車とどこが違い、その違いはどこからくるものなの
かをまとめたものである。

 盛田昭夫と井深大、この二人の目の前で仕事をしてきた著者が、盛田昭夫と井深大
の実像は語り、ソニーという企業はどのようにつくりあげられてきたのか、ヒット商
品「ウォークマン」の開発はどのように行われたのかを著者の立場から明らかにして
いる。

 ◇そのほかのオススメ選書をみる
   http://www.ithouse.net/japanese/bookshop.htm


<= 館長室だより =>―――――――――――――――――――――――――――――

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■◇「トンボとにらめっこ」
■■………………………………………………………………………………………………

 いまの時期、石神井川にいくとトンボがたくさん飛びまわっている。ここ数年で、
トンボの数が目にみえて増えてきたような気がする。今年は、石神井川から数キロ離
れた住宅街にもトンボが飛んでくるようになった。

 トンボ、トンボといっても、都会だとなかなか目の前でトンボの生態を観察できる
ところも少ない。まして、近くに川や池がなければトンボの成育地点がそもそもない
のだから、トンボが飛んでくるわけもない。

 トンボの生態をネットで調べたら、トンボの生態が少しわかった。トンボの食べ物
は蛾、ハエ、蚊などの小さな昆虫類だそうだ。またトンボにも小型、中型、大型とい
うのがいて、大きさによっても食べ物が違うのだと。しかも、中型のトンボが小型の
トンボを食べるとも。

 では天敵な何なのか。よく読んでいくと「陸、空、水」にいると書いてある。中型
のクモは陸にいる天敵で、そのほかにカエル、カマキリもいると。空には、野鳥やア
ブ類、水中にはブラックバスとある。なるほど、トンボは全方位から敵がいつ襲って
きてもいいわけだ。だから、あんなに目がデカイわけだ。

(平岩大樹=通訳翻訳館)


[館長室だよりは通訳翻訳館ウェブサイトにも掲載されています]

 ◇館長室だより(「水辺観察園内の小川」などをデジカメで撮影しました)
  http://www.ithouse.net/japanese/tayori/20051007.htm

 ◇いままでの館長室だより一覧(館長室)
  http://www.ithouse.net/japanese/director.htm


<= 投稿募集 =>―――――――――――――――――――――――――――――――

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■◇「あなたからの投稿を掲載します」
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