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「ドロ舟は沈む」-2004/02/14
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 「一流なんてムリだから、そこそこ稼げればいい。三流でいい」という。肥大化したスクール関連産業がカネにものをいわせて、幻想をばらまいた結果がこれだ。「ドロ舟」ばかりを作って、沈める。「ドロ舟」をいくらホンモノの船だと思い込ませても、水に浸せば沈む。砂場の人造砂プールで浮いても、海では浮かない。

 この業界のことをまったく知らないのか、知ろうともしないのかわからないが、「ドロ舟」で航海に挑戦するのはやめた方がいい。いや、やめるべきだ。砂場の人造砂プールと大自然の荒海ではワケが違う。

 「そこそこ稼げればいい」という程度なら別の仕事を探した方がいい。コンビニのアルバイトの方が稼げる。勤務時間も決まっているし、月末にはちゃんと給与がもらえる。ウソだと思うなら、第一線の翻訳家や通訳者が書いた本を読んでみればいい。

 「翻訳でもやるか」、「通訳でもやるか」という程度の考えなら、やめておいたほうがいい。何事もそうだが「でもやるか」で成功することはない。語学力で「そこそこカネになる」というのはスクール関連産業が発信する「幻想」であり、「ごまかし」にすぎない。

 「カネになる」のはスクール関連産業の方であり、本人ではない。カネを儲けたいなら、その得意の語学力を生かして商売をはじめた方が、よっぽど儲かる。「翻訳でもやるか」、「通訳でもやるか」という人はスクール関連産業が発信する「幻想」にとりつかれている。

 もっとわるいことに「英語」という外国語に憧れている。英語が話せれば人生が開けるとか、英語ができれば人生バラ色だなどという「幻想」と「ごまかし」を信じている。

 会社勤めがイヤになったからとか、人間関係が苦手だからとか、引退後の小遣い稼ぎにとか、パートではカッコが悪いからというのだが、そもそも自分の人生をどう生きるのか、どう生きたいのかという哲学がないものだから、「幻想」なんぞにとりつかれる。

 いま、社会がどのように変わろうとしているのか。経済情勢がどう変化してゆこうとしているのかという肝心なところがスッポリ抜け落ちているため、危機意識すら感じていない。主婦だから、サラリーマンだから、そんなことは知らなくていいというのでは、この業界で生き残れない。

 いま、日本の社会で起こっている現象をみていくと、1990年代に形成された「バブル幻想」が、いよいよ崩れはじめているのである。「ハッタリ」や「ごまかし」をやった企業がどんどんつぶれ、全国的に知られた大企業もつぶれる。「ハッタリ」や「ごまかし」がバレたためだ。

 日本社会のあらゆるところに「ハッタリ」と「ごまかし」が蔓延している。国会議員の学歴詐称、企業の安全管理、食品の産地偽装など氷山の一角にすぎない。いちばんの犠牲になったのは正直に、誠実にやってきた企業であり個人だ。バブル崩壊から十数年たって、ようやく「ハッタリ」と「ごまかし」が通用しない正常な社会に戻ろうとしている。

 二極化現象というものも、社会の正常化が進んでいる結果にすぎない。「ハッタリ」や「ごまかし」をやる企業や個人は消えていく。正直、誠実に商売や仕事に情熱をそそぐところは正当に評価され、生き残っていく。ドロ舟は沈むのである。



平岩 大樹(ひらいわ たいき)

 1998年10月、「通訳翻訳館(http://www.ithouse.net/)」の前身となった求人求職マッチングサイト「個人翻訳通訳館」ウェブサイトを立ち上げる。2000年に同サイトを「通訳翻訳館」に名称変更するとともに「通訳」と「翻訳」に特化した求人求職マッチングサイトをはじめる。現在、通訳翻訳分野における「求人と求職のミスマッチ解消」を使命とし「通訳翻訳館」を運営している。


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