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通訳翻訳ビジネスレポート No.70 2005/11/19 投稿:翻訳家を買っている
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◆━2005/11/19 第0070号━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆

◇◇通訳翻訳ビジネスレポート◇◇
    http://www.ithouse.net/
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◇目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

<投稿記事>
 ◆「翻訳家を買っている」平岩大樹(通訳翻訳館)

<書籍紹介>
 ◆『自分の中に毒を持て』岡本太郎(著)
 ◆『ビジネス版 悪魔の法則』ダン・S・ケネディ(著) 池村千秋(訳)

<館長室だより>
 ◆「作者はいますか」平岩大樹(通訳翻訳館)

<投稿募集>
 ◆「あなたからの投稿を掲載します」


<= 投稿記事 =>―――――――――――――――――――――――――――――――

■■………………………………………………………………………………………………
■◇「翻訳家を買っている」
■■………………………………………………………………………………………………

 読みたいから「定価」で買うんじゃない。読みたいだけなら、図書館で借りればい
い。新刊の翻訳書だって「座り読み」歓迎の大型書店にいけば、すべて読める。うれ
しいことに、イスとテーブルがいくつも置いてある。「買わせて読ませる」という発
想でいくら翻訳書をつくっても、「定価」で翻訳書は買ってもらえない。

 ためしに、アマゾンで翻訳書を検索してみるといい。「定価」のすぐ下に「ユーズ
ド価格」なんていうのが表示されている。「ユーズド」なんてみると、「ユーズドカ
ー」を思い出すが、要は古本だ。定価2000円の翻訳書が70円だったり、ベスト
セラーになった新書なんか、たった1円だ。

 「定価」と「ユーズド価格」、その差が大きければ大きいほど古本を買いたくなる
、あたりまえだ。カバーに傷がついている、シミがついている、そんなもの知ったこ
とじゃない。定価2000円の翻訳書が古本で70円なら、古本の方がいいにきまっ
ている。

 読者の本棚には、大きく分けて2種類の本が置いてある。いずれ捨てる本と、残し
て「本棚を飾る」ための本。捨てる本は、資源回収日に出されるか、古本として売り
に出されるかして読者の本棚から消える。アマゾンで「ユーズド価格」がつけられて
いる古本は、読者に「捨てられた本」でもある。

 おもしろいのはベストセラーになった翻訳書でも、値崩れしていない商品があると
いう事実だ。なぜ値崩れしていないのか、それは読者の本棚にずっと置かれているか
らだ。ただ置かれているのではなく、飾ってあるから古本市場に流れてこない。

 10年前にベストセラーになった翻訳書、それを数日前に「定価」で買った。「定
価」と「ユーズド価格」に千円以上の開きがあったら「定価」でなど買っていなかっ
たかもしれない。

 自分でもびっくりしたのだが、「定価」で買うと決めたその瞬間、翻訳家の顔がみ
えた。そう、一人の人間としての翻訳家がみえたのだ。「本棚を飾る」ために翻訳書
を買うのだから、ちょっとくらい「安い」からといって古本など買わない。

 そんなことより、一人の信頼できる翻訳家の作品を買う、一人の信頼できる翻訳家
に投資すると思って「定価」で買った。そう思うことで、いままでにない爽やかな満
足感もあじわえた。

 読者に「定価」で買ってもらうにどうすればいいのか。翻訳書という商品には聞い
たことも、見たこともない原著者名がデカデカと刷り込まれていて、読者が親しみを
感じ、ときには光り輝いてみえる翻訳家の名前の方は小さい。

 出版人は「本が売れない」とよくいう、なぜ売れないのかその原因を深く探求して
いないから、いまだに「本」を売っている。「売れそうな本」、「ウケそうな本」、
「お手軽な本」を生産している。だが、読者は「本」など買っていない。読者は「信
頼できる翻訳家」を買っている。

(平岩大樹=通訳翻訳館)

 ◇平岩大樹
  1998年10月、「通訳翻訳館」の前身となった非営利求人求職サイト「個人
  翻訳通訳館」を立ち上げる。2000年に同サイトを「通訳翻訳館」に名称変更
  するとともに「通訳」と「翻訳」に特化した求人求職サイトを始める。2000
  年から通訳翻訳館の館長。http://www.ithouse.net/


[この記事は通訳翻訳館ウェブサイトにも掲載されています]

 ◇掲載記事
  http://www.ithouse.net/japanese/column/doc/20051119.htm

 ◇いままでの記事一覧
  http://www.ithouse.net/japanese/column/box.htm

 ◇記事を投稿する
  http://www.ithouse.net/japanese/column/send.htm


<= 書籍紹介 =>―――――――――――――――――――――――――――――――

■■………………………………………………………………………………………………
■◇『自分の中に毒を持て―あなたは“常識人間”を捨てられるか』
■■………………………………………………………………………………………………

【著者】岡本 太郎
【出版社】青春出版社
【発刊年月】1993年08月15日
【本体価格】490円 (税込)
【ページ数】218p
【ISBN】4413090101
【購入】http://www.ithouse.net/japanese/ac/bk_4413090101.htm

──────────────────────────────────────
人生を真に貫こうとすれば、必ず、条件に挑まねばならない。いのちを賭けて運命と
対決するのだ。その時、切実にぶつかるのは己自身だ。己が最大の味方であり、また
敵なのである。
                           本文33pより抜粋
──────────────────────────────────────

 本書は芸術家、岡本太郎が自らの半生をふりかえり、自分の行動指針となったもの
は「何か」を語ったものである。誰もが直面するであろう最大の障害、それは己自身
の心だと岡本太郎はいう。

 世間が認める安全な道、安全な生き方、先のみえる人生、そんな生き方をしていて
強い意志や情熱などわきあがってくるわけがないのだと。危険だと思う道、食ってい
けそうにない危ない方向、先のみえない人生、そこに各人の運命をきりひらく真の生
き方ある。

 できあがった社会システム中で「安全に生きる」ことばかりを考え「生きがい」を
なくしている人間、いままでの常識や考え方にとらわれ惰性的に生きている人間、そ
ういう人間は自分自身に甘えている人間なのだと書き残している。

 ◇そのほかのオススメ選書をみる
   http://www.ithouse.net/japanese/bookshop.htm


■■………………………………………………………………………………………………
■◇『ビジネス版 悪魔の法則―ポジティブ思考のウソを斬る』
■■………………………………………………………………………………………………

【翻訳家】池村 千秋
【原著者】ダン・S・ケネディ
【出版社】ティビーエスブリタニカ
【発刊年月】1996年06月28日
【本体価格】1575円 (税込)
【ページ数】254p
【ISBN】4484991098
【購入】http://www.ithouse.net/japanese/ac/bk_4484991098.htm

──────────────────────────────────────
とくに問題がなくても、ほんとうにいまのままでいいのか考えてみる。疑問を投げか
けてみる。物事をひっくり返してみる。試しに、いままでと反対のことをやってみる
。経験と知識に邪魔されて、実験を避けるようになってはいけない。時代は常に変わ
っているのだから。
                           本文235pより抜粋
──────────────────────────────────────

 本書はよく言われているビジネス常識やルールは、ほんとうに有効なのかそれとも
大ウソなのかを検証したものである。どんなルールであっても「破られるためにある
」というのが、究極のルールだと著者はいう。

 ポジティブ思考の持っている好ましい効果を否定しないものの、根拠のない楽観主
義に溺れてはならないと警告する。ネガティブ思考もポジティブ思考も、人間にそな
わった感情であり、現実世界を直視しないようなポジティブ思考は愚行にすぎないと


 大事なことは、自分の性格なり、個性なり、得意なことを見きわめてビジネスをや
ってゆくことであって、だれもが認める常識や定石などにとらわれていてはいけない
。いまある常識や定石をくつがえし、打ち破っていくことに「成功」というものがあ
るのだと説いている。

 ◇そのほかのオススメ選書をみる
   http://www.ithouse.net/japanese/bookshop.htm


<= 館長室だより =>―――――――――――――――――――――――――――――

■■………………………………………………………………………………………………
■◇「作者はいますか」
■■………………………………………………………………………………………………

 知り合いの弦楽器製作者から弦楽器フェア2005の案内状をもらった。新作のヴ
ァイオリンを出展するから、来てみてと。毎年、弦楽器フェアには日本人の弦楽器製
作者、海外の弦楽器製作者、楽器メーカーが集まってスゴイ数の弦楽器が集まってく
る。

 国内の個人出展者(製作者)が63名、国内の法人出展が22社、海外からの個人
や団体が20。弦楽器フェアは、ただ見てさわるだけでなく、試し弾きもでき、気に
入ればその場で購入することもできる。すでに「売約済み」の札がついているものも
あった。

 さっと会場をまわってみて思ったのは、日本人の製作者不在が多いこと。海外から
きているところは、かならず商品のちかくにいるのだけれど、日本人の製作者は、お
客なのか製作者なのか見分けがつかない。

 弦楽器フェアに何度も来ている常連客なら、製作者の雰囲気というか、目つきで製
作者だとわかるのだけれど、初めてきた人にはわからない。背広とか、お客と同じよ
うな服を着ているから、すぐに製作者だとわからない。パンフレットにも、せっかく
顔写真が掲載できるのに、ほとんど入っていない。一目で「製作者」だとわかるよう
にした方がいいのではないか、そう思った。

(平岩大樹=通訳翻訳館)


[館長室だよりは通訳翻訳館ウェブサイトにも掲載されています]

 ◇館長室だより(「弦楽器フェアの会場」などをデジカメで撮影しました)
  http://www.ithouse.net/japanese/tayori/20051108.htm

 ◇いままでの館長室だより一覧(館長室)
  http://www.ithouse.net/japanese/director.htm


<= 投稿募集 =>―――――――――――――――――――――――――――――――

■■………………………………………………………………………………………………
■◇「あなたからの投稿を掲載します」
■■………………………………………………………………………………………………

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取り上げ多くの方々と情報共有するべく投稿原稿を幅広く取り上げております。応募
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ます。採用させていただいた原稿は通訳翻訳館ウェブサイト「投稿コラム」に掲載し
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来的に「投稿コラム」は出版物として出版する可能性もありますのであらかじめご了
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