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通訳翻訳ビジネスレポート No.69 2005/11/06 投稿:翻訳家を売れ
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◆━2005/11/06 第0069号━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆

◇◇通訳翻訳ビジネスレポート◇◇
    http://www.ithouse.net/
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◇目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

<投稿記事>
 ◆「翻訳家を売れ」平岩大樹(通訳翻訳館)

<書籍紹介>
 ◆『やっとひとり』小沢瑞穂(著)
 ◆『「買いたい心」に火をつけろ!』ハリー・ベックウィス(著) 阪本啓一(訳)

<館長室だより>
 ◆「スズメじゃない」平岩大樹(通訳翻訳館)

<投稿募集>
 ◆「あなたからの投稿を掲載します」


<= 投稿記事 =>―――――――――――――――――――――――――――――――

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■◇「翻訳家を売れ」
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 翻訳書を売るんじゃない、翻訳家を売るんだ。自分のところで出している雑誌、新
聞、自社ウェブサイトをフルに活用して翻訳家を売り込むんだ。翻訳書の表玄関に翻
訳家の「顔」を刷り込むだけでは足りない。「訳者あとがき」などもうやめて、「翻
訳家まえがき」にすべきだ。

 「訳者あとがき」から多くの読者が読んでいるのを知っていて、なぜ商品の頭に「
翻訳家まえがき」がこない。惰性で同じことを同じように繰り返し、いつまでも工夫
のない商品とつくっているから、新しい読者がつかないんだ。

 せっかく古典の新訳ラッシュがはじまったというのに、出版社と出版編集者は古典
新訳書の「売り方」がわかっていない。なぜか、それは古典の新訳ラッシュが終わっ
た後の新世界がみえていないからだ。ボヤッとでも新しい世界の輪郭がみえているな
ら、「死にかけの権威」にすがって古典の新訳など出すわけがない。

 そうだ、「死にかけの権威」は日本文化という大きな文化形式に吸収され、その役
割を終える。「死にかけの権威」と一緒に心中したいというなら、それもいいだろう
。いままで、お世話になってきた「死にかけの権威」に最期の舞台を用意し、自らも
日本文化の形式に吸収されたいというなら、とめやしない。

 他社がやるから「わが社でも」などと浮き足立っているなら、アタマを冷やしてよ
く考えてみることだ。いまなら、まだ穴も深くない。いますぐ、掘り出したモノを穴
に埋めなおせば、その穴の中で生き埋めにならずにすむ。他社が掘り下げた墓穴の深
さをみて、びびることはない。線香でも用意して墓石がくるのを待っていればいい。
 
 古典の新訳ラッシュで、読者の心をつかむことができる出版社は出版不況の「闇」
から抜け出す。読者の心をつかめなかったところは、二度と戻ってこれない大穴に落
ちる。古典の新訳ラッシュが終わったとき、圧倒的な翻訳ブランド力と資金力を獲得
しているのは、読者の心をつかんだ翻訳家であり、その翻訳家と強固な信頼関係を築
くことができた出版編集者、出版社になる。

 多くの読者にとって翻訳家は、まだ「未知なる存在」だ。古典の新訳ラッシュは「
未知なる者」がもっている「未知のパワー」を、どれだけ引き出せるかにかかってい
る。「未知なる者」は、一般的に恐怖の対象になることが多いが、情報操作すれば崇
拝の対象にもなる。当然、翻訳家は崇拝の対象ではないし、恐怖の対象でもない。崇
拝でも恐怖でもない、一人の独立した人間として存在しなければならない。

 一部の読書家は、一人の人間として信頼できる翻訳家を持っている。高度情報社会
の荒海を航海してゆくには、一流の翻訳家が必要だと考えているからだ。ニセ情報の
大波に飲み込れないようにするため、目的地まで沈没することなく航海を続けるため
、新情報の嵐がやってきても無事に切り抜けるルートを見つけるため、信頼できる翻
訳家を持つ。

 出版人には、目にみえない日本文明の歯車が130年ぶりに音を立てて動き出して
いることを体感してもらわねば困る。明治維新に匹敵するほどの大きな変化が日本で
起こっているのだ、出版人が右往左往していてどうする。いままでうまくいっていた
やり方は、どうせ通用しなくなる。

 日本文明が飛躍できるか、それとも後退するかは翻訳にかかっている。5000年
にわたり蓄積されてきた文明の英知と教訓を、どの時代の文明人よりも広く、深く、
万民が活用できる文明社会に飛躍できるか、それが問われているのだ。一部の支配者
と権力者に独占されてきた人類の英知を万民に解き放つことができるか、それとも支
配者と権力者の「飾り物」のままにしておくのか、その答えは2006年に出る。

(平岩大樹=通訳翻訳館)

 ◇平岩大樹
  1998年10月、「通訳翻訳館」の前身となった非営利求人求職サイト「個人
  翻訳通訳館」を立ち上げる。2000年に同サイトを「通訳翻訳館」に名称変更
  するとともに「通訳」と「翻訳」に特化した求人求職サイトを始める。2000
  年から通訳翻訳館の館長。http://www.ithouse.net/


[この記事は通訳翻訳館ウェブサイトにも掲載されています]

 ◇掲載記事
  http://www.ithouse.net/japanese/column/doc/20051106.htm

 ◇いままでの記事一覧
  http://www.ithouse.net/japanese/column/box.htm

 ◇記事を投稿する
  http://www.ithouse.net/japanese/column/send.htm


<= 書籍紹介 =>―――――――――――――――――――――――――――――――

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■◇『やっとひとり』
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【著者】小沢 瑞穂
【出版社】晶文社
【発刊年月】1996年03月05日
【本体価格】1835円 (税込)
【ページ数】198p
【ISBN】4794962517
【購入】http://www.ithouse.net/japanese/ac/bk_4794962517.htm

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自分なりの個性をスタイルにまで高めるのは、ひどく孤独なプロセスを伴う。みんな
と同じ格好をすれば、流行のものを身につけていれば安心できるという考えとは正反
対の意識。自分のスタイルで目立つことは、孤立するのを恐れない人にしかできない
。自分を愛しながら試行錯誤を重ねた結果、一握りの人が手にする勲章だ。
                           本文116pより抜粋
──────────────────────────────────────

 著者はリチャード・カールソン 『小さいことにくよくよするな』、エィミ ・タン
『ジョイ・ラック・クラブ』、ジュディス・クランツ『恋する宝石』など100点ち
かくの翻訳作品をもつ翻訳家。

 本書は、ひとりの女として心身ともに一人立ちすることになった著者の心境を綴っ
たエッセイ集。経済的に自立していたとはいえ、母と娘に精神的に頼ってきた自分の
生き様を振り返り、ひとりの女として生きてゆくことの厳しさと気楽さ、自由さと不
自由さを綴っている。

 第2章の「日本語をさがして」では、『嫌いなものは嫌い』、『キッチン・ゴット
・ワイフ』などの翻訳を通じて出会った原著者との対面、個性のあふれる原書の翻訳
から学んだ仕事の教訓などが語られている。

 ◇そのほかのオススメ選書をみる
   http://www.ithouse.net/japanese/bookshop.htm


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■◇『「買いたい心」に火をつけろ! 顧客が本当に欲しいものは何か』
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【翻訳家】阪本 啓一
【原著者】ハリー・ベックウィス
【出版社】ダイヤモンド社
【発刊年月】2004年02月05日
【本体価格】1680円 (税込)
【ページ数】265p
【ISBN】4478502234
【購入】http://www.ithouse.net/japanese/ac/bk_4478502234.htm

──────────────────────────────────────
私たちの目の前には、常に二つの道がある。楽な道と、むずかしい道。楽な道を選ぶ
のはやめよう。障害のない道など、どこにも通じていない。その代わり、崖に沿った
狭くて危険な、ガードレースさえないような道を選ぼう。むずかしい道を選ぶと、た
とえようもない高揚感、胸のときめきを感じることができる。
                           本文260pより抜粋
──────────────────────────────────────

 本書は目に見えない無形のサービスをどのようにブランド化できるのか、そのヒン
トを提示したものである。あり余るほどの選択肢と類似サービスの氾濫は、生活者の
アタマを混乱させているだけで、サービス選択の満足度をちっとも高めてはいないと
著者はいう。

 似たものサービスがあふれ返っているビジネス環境では、顧客との「絆」が大事で
あり、それは人間と人間との関係なのだと指摘する。よりよい人間関係をつくりあげ
てゆくには、それなりの順序と時間がかかるように、ビジネスにも同じような順序と
時間が求められる。

 顧客をひとりの人間として扱わないような「効率的」なやり方は、仕事の効率を上
げることはあっても顧客との「絆」を強めやしない。生活者の視点で生活者を観察し
、想像力を働かせて顧客が何を求めているのか、その求めにどう応たえることができ
るのか、シンプルに考えてみようと綴っている。

 ◇そのほかのオススメ選書をみる
   http://www.ithouse.net/japanese/bookshop.htm


<= 館長室だより =>―――――――――――――――――――――――――――――

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■◇「スズメじゃない」
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 いまの時期、電信柱とか電線の上にスズメよりひとまわり大きい鳥が群れになって
とまっている。あまり考えたこともなかったけれど、ちょうど暑さが消え、タンスの
底から長袖のシャツをひっぱり出して着はじめると、この鳥たちに出会う。

 いままで、「スズメが群れになって何だろう、落下してくるフンに気をつけねば」
としか思っていなかった。ふとしたきっかけで電信柱を見上げてみると、スズメにし
ては大きいし、鳴き声も違うことに気がついた。さっそく、デジカメのしょぼい望遠
で撮ってみたらびっくりだ。スズメじゃない!

 何十年も「スズメが群れで?」と思い込んでいたから、スズメじゃないとなると何
なのか知りたくなる。そう、「スズメじゃないなら、あの野鳥は何だ」と。石神井公
園の野鳥観察ウェブサイトにいって、あれこれ比較してみたら、どうやら「ツグミら
しい」ということがわかった。

 ヤフーの「きっず図鑑」も活用して、「まゆが白く、胸に黒い帯がある」という特
徴と「渡りの前には十数羽の群れをつくる」という特徴にも合致することがわかった
。そう、スズメじゃない、ツグミだった。北の大陸から、命をかけて日本に渡ってき
た冬の鳥たちだった。

(平岩大樹=通訳翻訳館)


[館長室だよりは通訳翻訳館ウェブサイトにも掲載されています]

 ◇館長室だより(「スズメじゃない!」などをデジカメで撮影しました)
  http://www.ithouse.net/japanese/tayori/20051026.htm

 ◇いままでの館長室だより一覧(館長室)
  http://www.ithouse.net/japanese/director.htm


<= 投稿募集 =>―――――――――――――――――――――――――――――――

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■◇「あなたからの投稿を掲載します」
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