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通訳翻訳ビジネスレポート No.65 2005/09/23 投稿:心に詩が届かない
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◆━2005/09/23 第0065号━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆

◇◇通訳翻訳ビジネスレポート◇◇
    http://www.ithouse.net/
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◇目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

<投稿記事>
 ◆「心に詩が届かない」田中モー子(匿名投稿)

<書籍紹介>
 ◆『記憶の川』崔愛子(著)
 ◆『台湾の主張』李登輝(著)

<館長室だより>
 ◆「切り株のうえで」平岩大樹(通訳翻訳館)

<投稿募集>
 ◆「あなたからの投稿を掲載します」


<= 投稿記事 =>―――――――――――――――――――――――――――――――

■■………………………………………………………………………………………………
■◇「心に詩が届かない」
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 平安時代の再来か、と思うことが時々ある。男女がセックスして帰れば、後朝の文
を即座に送りあう習慣が、1000年ぶりに復活したともいえる。小姓が文を運ぶ代
わりに、携帯電話がメッセージを運んでくれる。

 まめなコミュニケーションの中に、心のふれあいの機微、相手に伝えようとする小
さなメッセージと言葉の工夫が生まれ、それが平安期のような文学を生んでもいい素
地は十分にある。しかし私たちの「文」は、あのような風流な内容ではない。季節の
移り変わりを詠嘆している暇などないし、メールで「詩的に」語ろうという試みもほ
とんどなされていない。

 今の世の中、売れるのは就職マニュアル、商売の生き残り術、「モテ系」になるた
めの身もふたもない小手先テクニック本などだ。メールも役に立つことがすべてで、
用件を伝え、業績をゲット、恋をゲット、得体の知れない敵に勝つために、皆がしの
ぎを削りあっている。一方通行なのかブーメランなのか、コミュニケーションともな
んともつかないメッセージが飛び交っている。

 韓国の自然と仏教哲学をうたった詩集を読んだ。かの国に21世紀の「わび・さび
」は健在だ。しかし、日本語訳がどうにもわざとらしく感じる。間違っているわけで
も、下手なわけでもない。しかし、単なる説明のようで、言葉がみじめに浮いている


 私たちの心にある「詩心」と、それにふさわしいボキャブラリーが失われてしまっ
たなら、どんな名翻訳家の名訳をもってしても、私たちの心に詩が届かない。いや、
名訳というものも生まれようがない。

 1974年生まれの私には、詩は最も遠い存在だ。人格とボキャブラリーの形成時
代をバブルに覆いつくされている。小・中学生時代に「ダサイ、クサイ」という言葉
がはやり、徹底的にイジメの対象になった。真面目に自然を詠嘆するなどありえない
。テレビや本は、どこまでも面白おかしく過激に派手になっていった。

 小学生で意味もわからず「ノーパン喫茶」「テレクラ」という言葉がはやり、保険
が何かも知らないのに「ほけんきんめあてのさつじんじけんだー」と言い合い、ヘア
ヌード写真集のニュースが駆けめぐり、頬を赤らめる間もなく回し見した。平安期の
ように月の美しさをめでる言葉にくらっと来るのではなく、ブランドのバッグを買っ
てもらって女はベッドに落ちる。

 お隣の韓国では、本屋の詩集コーナーは花盛りだ。プロの詩人に負けず一般人も、
ネットで風流な自己表現をしあう。若者だけ、年寄りだけの局地的な文化でもない。
もっとも生活に疲れているはずの家事・子育て層が詩を好み、「アジュンマ(おばさ
ん)ドットコム」では、自作の詩、小説の投稿が活発になされる。

 ためしに自分で訳してみたが、やっぱりわざとらしい訳しかできない。詩的な表現
のほとんどは、多くの日本人にとって死語であるなら、いきいきと言葉が動くはずも
ない。

 韓国の女性は、親友同士でもセックスをおおっぴらに語れず、ひとり悩むことも多
いのだという。私は「やってみなければわからないジャン!」としか言えない。役に
立つ正論とは、何と情感も色気もないのだろう。「いえ、でも結婚までは」と目を落
とす横顔の美しさ。韓国ドラマをいやおうなく見せられた小学生が大人になって、日
本人が詩心と語彙を取り戻す日も、いずれ来るのだろうか。

(田中モー子=匿名投稿)

 ◇田中モー子
  http://www.bu-min.com


[この記事は通訳翻訳館ウェブサイトにも掲載されています]

 ◇掲載記事
  http://www.ithouse.net/japanese/column/doc/20050923.htm

 ◇いままでの記事一覧
  http://www.ithouse.net/japanese/column/box.htm

 ◇記事を投稿する
  http://www.ithouse.net/japanese/column/send.htm


<= 書籍紹介 =>―――――――――――――――――――――――――――――――

■■………………………………………………………………………………………………
■◇『記憶の川―在日二世を生きる』
■■………………………………………………………………………………………………

【著者】崔 愛子
【出版社】梨の木舎
【発刊年月】2004年10月15日
【本体価格】1890円 (税込)
【ページ数】219p
【ISBN】4816604103
【購入】http://www.ithouse.net/japanese/ac/bk_4816604103.htm

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日本で生まれた朝鮮人二世である私が朝鮮人でありつづけるという、この当たり前の
ことが、強い勇気だけでなく日常生活のなかで、たゆみない努力を必要とするものだ
と思いしらされた。しかし、またこの社会で私は同胞・日本人を問わず、多くの人と
出会いを通じて、生きる喜びを得たのも事実である。
                           本文6pより抜粋
──────────────────────────────────────

 著者は1950年生まれの韓国語通訳者、翻訳者。26歳から本格的に韓国語を学
び、30歳でソウルに留学。1982年、韓国の延世大学を卒業し日本に帰国。19
83年より韓国語通訳者として技術通訳、随行通訳、同時通訳、会議通訳を手がけた


 本書は、在日朝鮮人ニ世として生きてきた著者の半生をふりかえったものである。
アルミ加工事業で成功した両親のもと、裕福な家庭環境で育った少女時代。読書、詩
、ビートルズに熱中した思春期へて文学や思想に傾斜していったことがなどが語られ
ていく。

 祖国のことばを取り戻すためにはじめた語学から、ソウル留学、そして通訳者とな
っていった軌跡も簡単にまとめている。祖国の歴史と言葉を学べば学ぶほど、自らが
育った日本の社会、日本人というものを冷静かつ客観的に見ることができなかったと
も回想している。

 ◇そのほかのオススメ選書をみる
   http://www.ithouse.net/japanese/bookshop.htm


■■………………………………………………………………………………………………
■◇『台湾の主張』
■■………………………………………………………………………………………………

【著者】李 登輝
【出版社】PHP研究所
【発刊年月】1999年06月17日
【本体価格】1600円 (税込)
【ページ数】229p
【ISBN】4569606407
【購入】http://www.ithouse.net/japanese/ac/bk_4569606407.htm

──────────────────────────────────────
問題は「信念」なのだ。自らに対する信頼と矜持に他ならない。現在の日本の政治的
混迷をみるたびに、そしてさまざまな日本社会の停滞について耳にするたびに、私は
このことを思いだすのである。
                           本文163pより抜粋
──────────────────────────────────────

 著者は中華民国(台湾)の元総統。2000年に政界を引退し、現在は李登輝学校
で校長を務めている。本書は、東南アジアにおける台湾史をふりかえり、21世紀の
台湾と東南アジア像を展望したものである。

 台湾の急速な経済成長と社会発展は、優れた制度・思想を積極的に台湾内部に取り
入れ、さまざまな文化・思想・宗教を共存させながら多様性ある社会をつくってきた
からだと著者はいう。

 日本の占領統治下で教育を受け、22歳まで「日本人」だった著者に言わせれば、
現在の日本と日本人には「自信」が欠落しているのだと。世襲制が日本の多様性を塞
ぎ、日本人がもっていたはずの優れた柔軟性が失われている。能力や利害を超えた信
念、それを養うための精神修練をもう一度思い出し、実行するべきではないかと問い
かけている。

 ◇そのほかのオススメ選書をみる
   http://www.ithouse.net/japanese/bookshop.htm


<= 館長室だより =>―――――――――――――――――――――――――――――

■■………………………………………………………………………………………………
■◇「切り株のうえで」
■■………………………………………………………………………………………………

 倒木の危険性があると診断された木が切られた。数週間前から、はり紙が貼られて
いたので、とうとう「やられたか」と思いつつ、切り株をみて驚いた。木の中心部分
にあるはずの芯がなかったからだ。

 腐ってなくなったのか、虫に食われてなくなったのかわからないが、中心部分がな
いので、大型の台風が何度も直撃すると危ない。見た目は、健康そうな木だったが、
中身が空洞になっていたとは。

 一年前にも松の大木が切られた。この時も、倒木の危険性があると診断された。幹
はしっかりしていたが、葉が茶色に枯れ、周りの健康な木のなかで浮いていた。こう
いう木のことを「枯損樹木」というらしい。

 実りの秋だというのに、さびしいかぎりだ。切るばかりで、植樹しないのはどうし
てなのか。自然にまかせておけば「いいんだ」という考え方もあるが、都会の公園な
ら一本切ったら、一本植えてほしい。そうしないと、どんどん緑は消えてゆく。そう
思った。

(平岩大樹=通訳翻訳館)


[館長室だよりは通訳翻訳館ウェブサイトにも掲載されています]

 ◇館長室だより(「松の切り株」などをデジカメで撮影しました)
  http://www.ithouse.net/japanese/tayori/20050918.htm

 ◇いままでの館長室だより一覧(館長室)
  http://www.ithouse.net/japanese/director.htm


<= 投稿募集 =>―――――――――――――――――――――――――――――――

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■◇「あなたからの投稿を掲載します」
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