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通訳翻訳ビジネスレポート No.30 2004/05/28 投稿:読者の逆襲
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◆━2004/05/28 第0030号━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆

◇◇通訳翻訳ビジネスレポート◇◇
    http://www.ithouse.net/
◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆


◇目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

<投稿記事>
 ◆「読者の逆襲」平岩大樹(通訳翻訳館)

<書籍紹介>
 ◆『得手に帆あげて』本田宗一郎(著)
 ◆『わが友 本田宗一郎』井深大(著)
 ◆『競争の原理』堺屋太一 渡部昇一(著)
 ◆『働く人のためのキャリアデザイン』金井壽宏(著)

<編集後記>
 ◆「生命維持機能」平岩大樹(通訳翻訳館)

<投稿募集>
 ◆「あなたからの投稿を掲載します」


<= 投稿記事 =>―――――――――――――――――――――――――――――――

■■………………………………………………………………………………………………
■◇「読者の逆襲」
■■………………………………………………………………………………………………

 ぶん殴られるほどの衝撃、手が震えるほどの感動、信じてきた価値観がひっくりか
える本しか買わない。本が売れないのは、読者が出版社に逆襲しているからだ。読者
は本を買わないことで意思表示をしているにすぎない。読者をバカにし、インチキ翻
訳者をつかって翻訳させた三流翻訳書など読みたくもない。時間とカネの無駄だ。

 インターネット、携帯電話、図書館、古本屋など関係ない。インチキ翻訳者が誰か
なんてことはどうだっていい。本が売れなくなったのはなぜなのか、問題の本質を追
求せず、責任を転嫁し、自分たちがやってきたことを素直に反省しない。そんな出版
社などいらない。読者はそう意思表示している。

 三流翻訳書を大量生産している人間は本を読んでいない。ひどいことに、一般読者
よりも本を読んでいない。一般読者よりも本を読まない人間が、読書家のこころなど
わかるはずもない。だから、ハッタリ、ごかまし、テクニックを駆使して本を生産す
る。一流の原書を三流の翻訳書にしても、なんとも思わない。なぜなら、本をちっと
も読んでいないからだ。

 読書家とおなじように本を大量に読み、翻訳書から学び、情熱と使命をもって本づ
くりをしている人間だったら、読書家が何を望み、一般読者が何を求めているかがわ
かる。一流の原書を三流の翻訳書にすることが、どれほど読者の期待を裏切ることに
なるか、恐ろしいほどよくわかる。読者にハッタリ、ごかまし、テクニックなど通用
しない。読書家とおなじように本を読んでいれば、どうなるかは簡単に予想できる。

 だが、現実にはハッタリ、ごかまし、テクニックが蔓延している。本をちっとも読
んでいない人間が、出版社にたくさんいるからだ。みてくれや、かっこのよさを求め
、ハッタリ、ごかまし、テクニックに溺れた人間が出版社で三流翻訳書を生み出して
いる。そんな人間に読書家のこころや読者の気持などわかるはずがない。一流の原書
を三流の翻訳書にして読者の期待を裏切り、本が売れないからといって「読者はバカ
だ」とやる。

 読書家は怒っている。読者をバカにした傲慢な態度と姿勢に対してだ。ハッタリ、
ごかまし、テクニックを駆使して生み出された三流翻訳書の山のまえで、読書家は激
怒している。出版社の経営陣は、このことに気づていない。出版社を経営している人
間でさえ、本を読んでいない。だから、大赤字になった。

 経営者の態度は、社員をとうして商品に反映される。社員は社長の背中をみて育つ
。みてくれや、かっこのよさを求め、ハッタリ、ごかまし、テクニックに溺れた人間
が三流翻訳書を生み出しているという現実は、そのまま出版社を経営する人間の態度、
姿勢に直結する。

 日本の読書家は目が肥えている。その肥え方は半端じゃないし、要求するレベルも
半端じゃない。ホンダ、ソニー、トヨタが生み出す商品をみてみればいい。ホンダ、
ソニー、トヨタの商品は三流品じゃない。ホンダ、ソニー、トヨタが生み出す商品は
、どれも世界最高の品質と性能をもっている。その品質と性能を要求したのは、だれ
か。それは日本人のユーザーだ。

 ホンダ、ソニー、トヨタはユーザーの期待に応え、その期待を超越して新しい価値
を生み出すことに情熱を注いできた。「お客はバカだ」などという態度や姿勢は微塵
もない。世界最高のものをつくるという明確な理念があり、その理念は経営方針に反
映され、経営陣をはじめ社員に浸透している。

 ホンダ、ソニー、トヨタのような出版社が、なぜ日本にはないのか。それは出版社
が権威という「ぬるま湯」にどっぷり浸かってきたからだ。「読者はバカだ」などと
いう態度や姿勢は、「国民はバカだ」などといっている役人や学者と同じだ。

 権威という「ぬるま湯」に浸かっているから傲慢になる。だが、その心地よい「ぬ
るま湯」は、すでに「冷水」に変わっている。このことにきずかない出版社は、これ
からのブランド大競争時代に生き残れない。大手だから、絶対につぶれないとでも思
っているのなら、それは幻想でしかない。

(平岩大樹=通訳翻訳館)


[この記事は通訳翻訳館ウェブサイトにも掲載されています]

 ◇掲載記事
  http://www.ithouse.net/japanese/column/doc/20040528.htm

 ◇いままでの記事一覧
  http://www.ithouse.net/japanese/column/box.htm


<= 書籍紹介 =>―――――――――――――――――――――――――――――――

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■◇『得手に帆あげて―本田宗一郎の人生哲学』
■■………………………………………………………………………………………………

【著者】本田 宗一郎
【出版社】三笠書房
【発刊年月】2000年10月30日
【本体価格】1470円 (税込)
【ページ数】274p
【ISBN】4837918549
【購入】http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4837918549/ithouse-22

──────────────────────────────────────
成功というものは99%の失敗を土台にしている。その失敗すら、現在あらためて見
直せば、成功につながるものもいっぱいある。結局、失敗であろうが、「やってみる
」こと、そこに値打ちがあるのだと思う。
                            本文31pより抜粋
──────────────────────────────────────

 著者は平成3年に死去した本田技研工業(ホンダ)の創業者。原動機付き2輪車の
生産から始め、世界の自動車メーカ「ホンダ」をゼロから作りあげた経営者であり、
優れたエンジニアでもあった。

 本書は本田宗一郎の人生哲学を綴ったもので、少年時代のいたずら少年、丁稚で入
ったアート商会での小僧時代、そして本田技研工業を引退するまでが回想されている
。「得手に帆あげて」からもわかるように、宗一郎が自らの人生を振り返りながら、
その原動力となった「得手に帆あげて」生きることの手本を示している。

 現代日本の学校教育ついては、経営者の立場からはその弊害と問題点を指摘し、「
徹底してやり、勇敢にチャレンジせよ」と叫んでいる。この本に「世界のホンダ」を
生んだ、オヤジの哲学(ホンダイズム)が宿っている。

 ◇そのほかのオススメ選書をみる
   http://www.ithouse.net/japanese/bookshop.htm


■■………………………………………………………………………………………………
■◇『わが友 本田宗一郎』
■■………………………………………………………………………………………………

【著者】井深 大
【出版社】文芸春秋
【発刊年月】1995年3月10日
【本体価格】420円 (税込)
【ページ数】206p
【ISBN】4167437023
【購入】http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4167437023/ithouse-22

──────────────────────────────────────
本田さんほど自分の道徳観に忠実に生きようとした人もいないでしょう。エンジンの
開発にしろ、なんにしろ、本田さんは心から誠意をもって仕事をしました。自分がつ
くったものを使う人のことを、心から考えていたのです。
                              本文192pより抜粋
──────────────────────────────────────

 著者は平成9年に死去したソニーの創業者。戦後の焼け野原からソニーの前身であ
る東京通信工業を立ち上げ、テープレコーダ、トランジスタラジオ、ウォークマンを
生み出した技術者であり、経営者でもあった。

 本書は本田技研工業の創業者である本田宗一郎と親交が厚かった著者が、自分より
先に死去した本田宗一郎の功績と人柄を伝えるために書いたものだ。「週間朝日」、
「財界」などに掲載された対談記事を随所に引用し、本田宗一郎の実像を伝えている


 第7章「論理より直感」ではソニーで行われたテープレコーダの小型化やトランジ
スタの開発、本田技研で開催されたアイデアコンテストが紹介されており、「直感を
大切にすること」、「失敗することのたいせつさ」が述べられている。

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■■………………………………………………………………………………………………
■◇『競争の原理』
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【著者】堺屋 太一 渡部 昇一
【出版社】致知出版社
【発刊年月】1996年09月25日
【本体価格】1223円 (税込)
【ページ数】227p
【ISBN】4884743970
【購入】http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4884743970/ithouse-22

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世の中には、いつの時代にも「常識」というものがある。しかし、その「常識」はい
つも同じとは限らない。戦前の「常識」には現在では「非常識」といわれるものも多
いし、戦争中の「常識」は大部分は今日では「狂気」に属するとさえいえるだろう。
                           本文7pより抜粋
──────────────────────────────────────

 本書は競争することの本質とは何なのか、競争を排除した社会がどうなったのかを
歴史の目で見つめ直したものである。多くの人々が信じる「常識」の正体とは、いっ
たい何なのか、競争をなくした社会がどういう結末になったのかを対談をとうして明
らかにしていく。

 競争を制限したり、競争それ自体をなくせば、必ず衰退し、崩壊につながるという
。無駄を削り、不正をなくして、より豊かな社会をつくりあげていくには自由競争が
必要になると指摘する。

 良貨が悪貨を駆逐するためには、競争することしかない。丸ごと滅びて消えたくな
ければ、熾烈な競争社会で生きぬく覚悟が必要になる。では、競争に強い国家、組織
、人間とは何か。戦国日本を統一した織田信長、太平の世をきずいた徳川家康の違い
を分析し、そこから結論を導き出している。

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■◇『働く人のためのキャリアデザイン』
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【著者】金井 壽宏
【出版社】 PHP研究所
【発刊年月】2002年1月29日
【本体価格】819円 (税込)
【ページ数】299p
【ISBN】456961941X
【購入】http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/456961941X/ithouse-22

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いくつになっても大切なのは、「さらに一皮むけること」「自分探しを続けていっそ
う自分らしく生きること」だけではない。「いくつになっても夢をもつこと」もまた
とても重要なことだ
                            本文241pより抜粋
──────────────────────────────────────

 著者は神戸大学大学経営学研究科教授。リーダーシップ、ネットワーキング、モチ
ベーション、キャリアなど経営学のなかでも人間の問題に深く関わる研究を行ってい
る人だ。

 本書は収入アップのためのハウツー本ではない。キャリアは働く人すべての問題で
あるという前提に立ち、欧米と日本で研究されている経営学理論と概念を交えてどの
ようにキャリアをデザインしてゆけばよいのか解説している。

 全10題のキャリアデザインエクササイズが随所に収められており、エクササイズ
に取り組むことでキャリアデザインの基礎を学ぶことができ、自身のキャリアを真剣
に検討する機会を提供してくれる。

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<= 編集後記 =>―――――――――――――――――――――――――――――――

■■………………………………………………………………………………………………
■◇「生命維持機能」
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 意識してはいないが、みんなちゃんと呼吸をしている。いちいち呼吸していること
を意識しなくても、ちゃんと呼吸ができる。これは、気の遠くなるような時間をかけ
てつくりあげられた生命維持機能らしい。同じような機能は植物にもある。

 まったく、人のからだというのは、すばらしくよくできている。ふつうにしていれ
ば呼吸など意識しなてもいいのに、走ったり、階段を駆け上がったりすれば息が苦し
くなる。

 ほんの60秒だけ息を止めても大変なことになる。息を止めて、45秒を経過した
あたりから意識が変わりはじめる。55秒で顔が熱くなり、頭の毛が逆立つ。60秒
以上は、耐えられない。

 息をとめてみれば呼吸の重要性にきずく。そう、呼吸はたいへん重要な活動だ。わ
かっているようで、わかっていないのが自分の体かもしれない。自分の呼吸を知ると
いうことは、自分の体を知ることにつながり、それを知ることは、自分を理解する入
り口になる。

(平岩大樹=通訳翻訳館)


[編集後記は「館長室だより」として通訳翻訳館ウェブサイトに掲載しています]

 ◇編集後記(館長室だより)
  http://www.ithouse.net/japanese/tayori/20040528.htm

 ◇いままでの編集後記一覧(館長室)
  http://www.ithouse.net/japanese/director.htm


<= 投稿募集 =>――――――――――――――――――――――――――――――

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■◇「あなたからの投稿を掲載します」
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