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通訳翻訳ビジネスレポート No.27 2004/04/30 投稿:日本文明の花
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◆━2004/04/30 第0027号━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆

◇◇通訳翻訳ビジネスレポート◇◇
    http://www.ithouse.net/
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◇目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

<投稿記事>
 ◆「日本文明の花」平岩大樹(通訳翻訳館)

<書籍紹介>
 ◆『学問のすゝめ』福沢諭吉(著) 檜谷昭彦(訳)
 ◆『翻訳と日本の近代』丸山眞男 加藤周一(著)
 ◆『文明の衝突』サミュエル・ハンチントン(著) 鈴木主税(訳)
 ◆『ネオコンの論理』ロバート・ケーガン(著) 山岡洋一(訳)

<編集後記>
 ◆「一杯のコーヒー」平岩大樹(通訳翻訳館)

<投稿募集>
 ◆「あなたからの投稿を掲載します」


<= 投稿記事 =>―――――――――――――――――――――――――――――――

■■………………………………………………………………………………………………
■◇「日本文明の花」
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 言語革命が日本からおこる。日本から世界にむかって広がっていく。通訳ロボット
の開発をすすめるエンジニアには、それがはっきりと見えている。通訳ロボットは日
本文化、日本文明の大潮流から生まれている。けっして、偶然の産物ではない。

 通訳ロボットが驚くべきスピードで高度化、産業化していくのは、もう誰にも止め
られない。ロボット産業の新ステージをつくりあげるのは娯楽ロボットではなく通訳
ロボットである。第一陣をきったNECに続き、まもなくホンダ、ソニー、トヨタが
参戦することになる。

 日本が世界に誇るものは翻訳文化である。その翻訳文化を具現化した通訳ロボット
の潜在力、将来性、侵略性に気づいている人はまだ少ない。だが、世界のホンダはす
でに「本気モード」だ。不可能に挑戦し、不可能を可能にすることに情熱と闘志を燃
やす一流企業、そのホンダが「マジ」だ。

 忘れられ、廃れかけていた機械翻訳産業がロボット産業と融合し、新たな段階に入
る。情報通信技術によって息をふきかえした機械翻訳産業は、ロボット産業と融合す
ることで急速に発展する。

 いま、日本は明治維新に匹敵するほどの大変革期にある。この大変革を本当に理解
している人は少ない。憧れ、幻想、テクニック、ごまかしに目を眩まされ、現実を直
視できないでいるからだ。一方、不可能と思えることに挑戦し、不可能を可能にする
ことに情熱と闘志を燃やす人には、新世界がみえる。

 いままで機能してきた行動規範、社会制度、権威が崩壊しはじめている。たとえば
、年金制度がそうだ。この制度はすでに崩壊している。崩壊した事実を素直に認めな
いで、「ごまかし」をやり続ける体質が問題を深刻化させている。

 事実を素直に認めない社会に、何の進歩も成長もない。問題は、経済見通しが甘か
った高級官僚や政治家のせいじゃない。国民年金の未加入者や未納者のせいでもない
。すでに起こった事実を素直に認めず、「ごまかし」をやり続けていることが問題な
のだ。

 大変革の大波は、何度も日本に押し寄せてきた。そのたびに日本は強くなり、進化
してきた。日本には世界に誇る翻訳文化がある。すでに起こった事実を素直に認めた
とき、日本人の想像力に火がつく。そして、世界に誇る日本の翻訳文化が再び燃え上
がる。

 通訳ロボットは、千年にわたり営々とつくりあげられてきた日本文化、日本文明の
「花」となる。言語も宗教も翻訳でつくりあげてきたのが、日本文化であり日本文明
である。

 優れたものは何でも吸収、融合して独自の文化をつくりだすことができる翻訳文化
は、通訳ロボットの「頭脳」となる。通訳ロボットは日本の「強み」を強化し、発展
させ、進化させる。

 通訳ロボットの「頭脳」となる高性能機械翻訳の開発に向けてホンダ、ソニー、ト
ヨタの総力戦が、もうすぐはじまる。埃をかぶっていた機械翻訳産業に、世界のマネ
ーと優秀な人材が流れ込み「新産業」が生まれる。通訳ロボットの開発をすすめるエ
ンジニアには、それがはっきりと見えている。

(平岩大樹=通訳翻訳館)


[この記事は通訳翻訳館ウェブサイトにも掲載されています]

 ◇掲載記事
  http://www.ithouse.net/japanese/column/doc/20040430.htm

 ◇いままでの記事一覧
  http://www.ithouse.net/japanese/column/box.htm


<= 書籍紹介 =>―――――――――――――――――――――――――――――――

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■◇『学問のすゝめ』
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【著者】福沢 諭吉
【現代語訳】檜谷 昭彦
【出版社】三笠書房
【発刊年月】2001年3月31日
【本体価格】1,365円 (税込)
【ページ数】225p
【ISBN】4837918808
【購入】http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4837918808/ithouse-22

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生活が苦しいと言っても、じっくりその経済について考えてみれば、少しの金を得て
小さな安定を得るよりも、時間を待ち、努力と倹約の後に大きな成功をおさめるほう
が、より多くの得ではないだろうか。
                            本文126pより抜粋
──────────────────────────────────────

 著者は「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」で知られる慶応義塾の創
設者、福沢諭吉である。いくつかある現代語訳本よりも読みやすく、とっつきやすい
一冊である。

 本書は明治4年(1871年)から明治9年(1876年)にかけて福沢諭吉自身
が民間の小学校教科書としてまとめたもの、慶応義塾の学生のために書き下ろしたも
の、講義の内容をまとめたものを一冊にしたものだ。

 独立独尊の道具としての学問、実学を重視する福沢諭吉は十四編で「これが商売で
大切なこと」と「人生の「損益」計算書のしかた」を、十七編では「見栄を捨て素直
になれ」などを説いている。また「目標は高いところに置け」や「他人に頼るな」な
ど、現代日本に生きる者にも進むべき道筋を示している。

 ◇そのほかのオススメ選書をみる
   http://www.ithouse.net/japanese/bookshop.htm


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■◇『翻訳と日本の近代』
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【著者】丸山 眞男  加藤 周一
【出版社】岩波書店
【発刊年月】1998年10月20日
【本体価格】735円 (税込)
【ページ数】189p
【ISBN】4004305802
【購入】http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4004305802/ithouse-22

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翻訳は外国の概念や思想の単なる受容ではなく、幸いにして、または不幸にして、常
に外来文化の自国文化の伝統による変容だからである。外来の思想は、必ずしも知識
層と大衆との間の溝を、長期にわたって拡げるようには作用しない。そのことを明治
初期の翻訳者たちは―少なくともその一部は―あきらかに意識していた。
                           本文187pより抜粋
──────────────────────────────────────

 本書は日本の近代化がなぜ成功したのか、近代化を可能にした翻訳とは何であった
のかを明らかにしたものである。江戸時代に育まれた翻訳文化と明治政府が主導した
近代化がどのように結びついたのか。

 江戸、明治の大翻訳家たちが成し遂げた大事業の一端から、先人たちが描いた国家
像とはどういうものであったのかを紹介し、翻訳書に込められた翻訳家の思想を探っ
ていく。

 漢文概念を駆使して翻訳された江戸の翻訳文化とは何か。近代化によって失なわれ
た日本人の歴史意識と翻訳文化にはどのような関係があるのか。グローバル化が急速
に進むなか、現代日本の翻訳文化はどうあるべきなのか問いかけている。

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   http://www.ithouse.net/japanese/bookshop.htm


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■◇『文明の衝突』
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【著者】サミュエル・ハンチントン
【翻訳】鈴木 主税
【出版社】集英社
【発刊年月】1998年06月30日
【本体価格】2940円 (税込)
【ページ数】554p
【ISBN】4087732924
【購入】http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4087732924/ithouse-22

──────────────────────────────────────
民族の衝突や文明の衝突が起こりはじめている世界にあって、西欧文明の普遍性を信
ずる西欧の信念には三つの問題がある。すなわち、それは誤りであり、不道徳であり
、危険である。
                           本文476pより抜粋
──────────────────────────────────────

 本書は冷戦終結によってもたらされた地域統合、民族対立、国家分裂、文明衝突の
背後に何があるのかを分析したものである。冷戦後の世界にとって最も危険で、重要
な意味を持つようになったものは政治でも経済でもなく「文化」であると著者はいう


 文化の中心的な要素は言語と宗教であり、宗教の違いは深刻な対立と憎悪を生みだ
す源泉になっていると指摘する。地域紛争や民族対立の背後には宗教の違いがあり、
キリスト教とイスラム教の対立が最も危険で残酷な対立に発展する可能性があるとい
う。

 西欧文明は普遍的な文明ではなく、不滅でもない。各文明がつくりあげている価値
観、制度の特徴に優劣はなく、それぞれが貴重な存在である。異文明によってつくり
あげられた価値観や制度を無視し、認めないことは、深刻な衝突を引き起こすと論じ
ている。

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■◇『ネオコンの論理』
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【著者】ロバート・ケーガン
【翻訳】山岡 洋一
【出版社】光文社
【発刊年月】2003年05月25日
【本体価格】1575円 (税込)
【ページ数】154p
【ISBN】433496155X
【購入】http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/433496155X/ithouse-22

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現在の欧米間の対立がもたらす危険は、アメリカ側の意思や能力にはなく、国際関係
の現状と切り離せない道義の問題をめぐる対立にある。人間に関する問題ではよくあ
ることだが、ほんとうの問題は目に見えない部分、つまり恐れや情熱や信念にある。
                           本文134pより抜粋
──────────────────────────────────────

 著者はカーネギー国際平和財団の上級研究員。米ブッシュ政権の外交政策を握ると
いわれるシンクタンク「アメリカ新世紀プロジェクト(PNAC)」の共同創設者。
本書はヨーロッパとアメリカがもつ「戦略文化」の違いを明らかにしたものである。

 アメリカとヨーロッパがつくりあげた「欧米」という結束と団結は、冷戦終結によ
って消滅したと著者はいう。「欧米」とは、冷戦という特殊な世界情勢によってつく
りだされた幻想であり、もともとヨーロッパとアメリカは共通の世界観などもっては
いないと指摘する。

 ヨーロッパの平和と安全はアメリカ軍の駐留によって生み出されるものであってア
メリカなくして、ヨーロッパの永遠平和は実現しないという。冷戦終結により軍備縮
小を進めたヨーロッパ、逆に軍事技術を開発し高めたアメリカ、その違いは国家理念
とビジョンにあると分析している。

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<= 編集後記 =>―――――――――――――――――――――――――――――――

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■◇「一杯のコーヒー」
■■………………………………………………………………………………………………

 一杯のコーヒーには不思議な「力」がある。喧嘩したとき、落胆したとき、イライ
ラしたとき、一杯のコーヒーを飲むと心が落ち着つき、穏やかで前向きになれる。だ
が、コーヒーのことについては何も知らない。

 海外のコーヒー農園で栽培され、輸入され、焙煎され、袋詰めされているというこ
としか知らない。どのような人が、どのような境遇で、どのような情熱をもってコー
ヒー豆を栽培しているのか考えたこともない。

 乾いた心を癒す一杯のコーヒー。価格や効率、幻想や憧れではなく、人の「思いや
り」と「真心」が込められた一杯のコーヒーをじっくりと味わってみれば、本当の豊
かさが姿をあらわす。

 グローバル化の正体は、「英語」が使えればいいなどという軽薄なものじゃない。
日本人とは何者で、日本は世界に対して何ができるのか。ひとりひとりの日本人に突
きつけられている。そう思えてならない。

(平岩大樹=通訳翻訳館)


[編集後記は「館長室だより」として通訳翻訳館ウェブサイトに掲載しています]

 ◇編集後記(館長室だより)
  http://www.ithouse.net/japanese/tayori/20040430.htm

 ◇いままでの編集後記一覧(館長室)
  http://www.ithouse.net/japanese/director.htm


<= 投稿募集 =>――――――――――――――――――――――――――――――

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■◇「あなたからの投稿を掲載します」
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