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■「ドイツ大使館での国歌翻訳」-2004/12/21
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 先日、日本でドイツ大使館の日本国歌ドイツ語訳について問題をとりあげている記事を見ました。ドイツでは何とも、どこにも記事を見つけることができませんでした。

 少なくとも当方の守備範囲ですが、しかし思うには、古いテキストの国歌をその当時のままに訳すのが正しいのか。近代に合わないと国歌を考えなおすことをいいたいのかわからない記事でした。

 ドイツの政治家との談話、会合の日本語訳、またドイツ語訳を聞いていると大臣閣下とか、日本の政界自体が問題なのでは。通訳は、その世界の通用語を使うのが正しいと思います。ですから翻訳の問題をあげる前にその世界が現実にまた、国民に近いのかを話すべきです。

 宮内庁、英国王室とデンマークやオランダ王室は、話す相手によっていかに国民への近さが違うかその使う言葉で感じ取れます。威厳を作らなければならない方々と、自然に威厳を(尊敬の方が正しいですが)とっている違いではないでしょうか?

 昔、自動車やコンピュター技術者は専門用語を連発して威厳を取ろうとしていました。最近は一般用語で説明できる技術者の方が、本当の理解をしている専門家ではないでしょうか。

 私がBMWの研究開発の技師の方と日本の技術師との通訳をしていたとき、セクションや会社の違う方に同じ内容の通訳をしたことがあります。現在BMW電気部門試験総責任者のMr.Hさんに「質問に対して、あなたが説明しなさい」と言われたことがありました。

 それは後日、Mr.Hからあなたの通訳はあなたが理解していることが十分日本人の回答、質問内容から判断できたからですといわれました。外国の方は言葉で判断せづに、相手が理解したかを判断します。

 その確認に彼らが使う手は、質問をする、うそをついてみる、冗談を言ってみる、それらはすべて、理解していれば相応の反応をするものです。技術者同士は外国人でも理解すれば通じるものを持っています。後はその通訳がうまく単語にして伝えたかが問題、中にはドイツ語の単語のままのほうが理解できることもあります。

 例えば、スピーカーのフレームを専門業界では「バスケット」と名づけていますが、それを買い物籠と英語から日本語にするのもEinkauftascheとドイツ語にするのも笑いものなのです。

 通訳も単語を世界(業界、政治世界、等)にあわせて使えるべきです。日本にいるドイツ語の通訳は日本語にするときに完璧であればいいと思います。逆にドイツにいる日本語の通訳はドイツ語に正しく(日本語の意味を)伝えられればいいのでは。こんなことを思いました。

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高間 一平

 1952年東京生まれ。ドイツで通訳、添乗、業務仲介などを行なっているドイツ語通訳者。ドイツ、ミュンヘンから南に70キロメートルのレングリースに在住。http://www.takama.de info@takama.de

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